研究課題/領域番号 |
05660130
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
食品科学・製品科学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
熊谷 仁 東京大学, 農学部, 助手 (20215015)
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研究期間 (年度) |
1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1993年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | ゾル-ゲル転 / 二次相転移 / 粘度 / 弾性率 / 臨界指数 / ポリアクリルアミド / ゼラチン / κ-カラギーナン |
研究概要 |
ゾル-ゲル転移点近傍におけるゾルの粘度、ゲルの弾性率の測定およびパーコレーション理論による解析を行った。 粘度はコーンプレート型粘度計、弾性率は周波数2Hzの動的ずり弾性率測定装置で測定した。ゾル-ゲル転移点は、粘度の発散点あるいは、動的光散乱法により求められる流体力学的半径の発散点から算出した。そのゾル-ゲル転移点の値から、パーコレーション理論から導かれるスケーリング則を用いて、粘度および弾性率の臨界指数の値を算出した。 最初にモデル物質として、共重合ゲルを形成するポリアクリルアミドに関して、ゾル-ゲル転移点近傍における力学物性のモノマー濃度依存性検討した。その結果、粘度の臨界指数sは約0.7、弾性率の臨界指数tは約2と、ともにパーコレーション理論による予測値1.7-2.0に近い値となった。 次に、タンパク質であるゼラチンを選定し、ゾル-ゲル転移点近傍における力学物性の濃度および温度依存性を検討した。その結果、弾性率の臨界指数tは、濃度、温度いずれを操作変数としたときもやく2でパーコレーション理論による予測値と一致した。しかし、粘度の臨界指数sは、約1で予測値より大きな値となった。これは、高分子と水との相互作用および高分子間の絡まり合いによる結果と思われる。 最後に、多糖類ゲルであるκ-カラギーナンの力学物性の臨界挙動に関して検討した。κ-カラギーナンの場合、粘度は構造破壊にため測定因難であったためゾル-ゲル転移点は動的光散乱法により決定した。結果として弾性率の臨界指数tは、濃度・温度いずれを操作変数とした場合も約2と、パーコレーション理論による予測値にほぼ一致した。
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