研究課題/領域番号 |
05660151
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
林学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
工藤 弘 北海道大学, 農学部・附属演習林, 助教授 (10001504)
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研究分担者 |
氏家 雅男 北海道大学, 名誉教授 (20001422)
野田 真人 北海道大学, 農学部・附属演習林, 助手 (00101238)
夏目 俊二 北海道大学, 農学部・附属演習林, 助手 (30180532)
滝川 貞夫 北海道大学, 農学部・附属演習林, 教授 (90001502)
門松 昌彦 北海道大学, 農学部・附属演習林, 助手 (60158847)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1994年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1993年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | トドマツ精英樹 / 採種園 / ヤング係数 / 容積密度数 / 木材抽出物 / クローン間変異 / 相関 / 分散分析 / 化学的性質 / 辺材 / 心材 / トドマツ / 精英樹クローン / 材質 / 密積密度数 / 心材含水率 / 遺伝率 / 年輪幅 |
研究概要 |
1993年4月トドマツ採種園の間伐にさきだって、試験木の樹高、胸高直径、非破壊法による曲げヤング係数の測定を行った。採種園は植栽後22年の同樹木からなり、保育過程、環境条件等は同一である。試験木は1クローン当たり5箇46クローン合計226本で、胸高部位より厚さ約5cmの円板を採取、-30度に貯蔵した。実験に際し、円板を心・辺材に分け、常法により試料を作製して、生材水分、容積密度数、年輪幅を測定、さらに温水、アルカリ、アルコール・ベンゼン各抽出物と灰分を定量した。これらの結果から、分散分析によってクローン間変異を調べ、各測定値の相関と反復率を計算して、考察をおこなった。 1.試験木の平均樹高は6.9m、平均胸高直径は13.3cmであった。2.心・辺材を含む容積密度数は平均342kg/m^3、平均年年齢幅は3.9mm、心材含水率は平均141.2%、樹幹曲げヤング係数は平均86.0t/cm^2であった。3.心材含水率はきわめて高く、いわゆるトドマツ水喰い材であった。4.ヤング係数86t/cm^2は農林規格E90(80-100t/cm^2)に属し、かなり高い値である。5.心材温水抽出物はそれぞれ平均4.1%,16.3%、および4.1%で、心材灰分は平均1.2%であった。6.分散分析により各性質はクローン間でほとんど有意の差があり、クローンによって差があることがわかった。7.各材質の遺伝率(反復率)は高い方で容積密度数の0.46、辺材アルコール・ベンゼン抽出物の0.45であり、その他はいずれも低かった。このことは各性質が環境の影響を受け易いことを意味する。8.心材含水率と心材容積密度数および灰分の間に有意な相関が認められた。以上の結果から、たとえ精英樹のクローン同志によって得られた優秀な種子から育成された樹木であっても、造林に際しては、適地を選んで、適切な管理を行うことが必要である。
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