研究課題/領域番号 |
05660158
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
林学
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
藤原 三夫 岐阜大学, 農学部, 助教授 (20144347)
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研究分担者 |
松下 幸司 京都大学, 農学部, 助教授 (90199787)
伊藤 栄一 岐阜大学, 農学部, 助手 (00176322)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1995年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1994年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1993年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | 立木販売 / 森林資源 / 森林経営 / 林業事業体 / 木材産地 / 木材市場 |
研究概要 |
1.「伐採実績集計表」の分析から次の点を明らかにした。(1)伐採齢はスギ、ヒノキともVI齢級にピークがあり、さらにスギではX齢級に、ヒノキはXII齢級にピークらしきものが認められる。前者は間伐に、後者は主伐に対応する。ただ、高齢級間伐への移行も現れており、主間伐の区別が難しくなるとともに、捕捉率自体が低下している。(2)伐採林分の立地条件(林道からの距離)は短縮化の傾向が認められ、1991年度の県レベルの平均距離はスギ、ヒノキとも230m前後となる。ただ、これを市町村別に検討すると大きな差があり、伐採林分の距離分布や伐採材積と立地条件との関係は単純な統計処理では読みとりにくい。(3)このため、恵那郡加子母村・上矢作町、山県郡美山町を対象に、森林組合や素材生産業者からの聞き取りもふまえ、伐採林分の捕捉率の上昇を図るとともに、森林計画図と森林簿のデータとを突きあわせ伐採データの調整を行った。現在、この分析に取りかかっているが、作業過程において伐採林分の距離分布や伐採の組織化(団地化)の現状が浮かびあがっている。 2.伐採量を目的変数とし、森林蓄積量や林道密度以外に木材価格や素材生産主体のあり方などを独立変数に含む伐採モデルを検討した。その結果、皆伐ではスギ、ヒノキとも森林蓄積量のほか木材価格と市町村民所得水準の説明力が高く、非皆伐では森林組合林産事業水準の寄与率が両樹種で高いほかヒノキでは林道密度が関係していた。このモデルの現実適応性は高いと思われる。また、このモデルの補完を目的に実施した県内9町村での森林所有者へのアンケート調査結果も、このモデルの有効性を裏づけている。すなわち、木材産地ないし産地銘柄の形成は、森林所有者の伐採行動を促進させる重要な因子と考えられる。しかし、産地効果は近年、一般材をめぐって急速に減退する傾向がみられ、伐採を促進させる新たな対策が必要である。
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