キーワード | 樹木 / 修復・防御機能 / カフェー酸糖エステル類 / 桐粗酵素液 / 酸化重合体 / Acteoside / 合成 / (3',4'-dihydroxy phenyl)-ethylβ-D-glucose / 合成中間体 / (3′,4′-diacetoxyphenyl)-ethyl2-O-benzoyl-4,6-O-benzylidene-3-O-(2,3,4-tri-O-acetyl-α-L-rhamnopyranosyl)-β-D-glucopyranoside. / 桐 / ベルオキシダーゼ / カフェー酸 / ^<13>Cラベル標識化合物 / フェノール性OH / TBDPS保護基 / 酵素的酸化反応 / ペルオキシダーゼ / 4-O-caffeoyl-β-D-glucose |
研究概要 |
本研究では、カフェー酸糖エステル類の樹体内における生理的意義の一つとして、障害部分の修復・防御物質の役割を有しているものと考え、次の3実験を行いこの仮定を証明する事を目的とした。1)Acteosideおよびその部分構造の合成法の確立と^<13>CラベルActeosideの合成、2)Acteoside合成品および^<13>CラベルActeosideの桐粗酵素液及び桐ペルオキシダーゼによる酸化重合体の化学的性質、構造解析および抗生分解性の解明、および3)^<13>CラベルActeosideを吸収させた桐に物理的な障害を与え、一定期間経過後、障害部位を採取し,得られた障害試料及び健全試料の^<13>CNMRデータ等の化学的性質、抗生分解性の比較解明。このうち、補助金の期間内に見通しを得た1)の課題について報告した。2)と3)については引き続き研究を進める。 Acteosideの合成は、D-グルコースを出発原料として14ステップのスキームにより行い、7ステップで基本骨格の2糖配糖体(3',4'-diacetoxyphenyl)-ethyl2-O-benzoyl-4,6-O-benzylidene-3-O-(2,3,4-tri-O-acetyl-α-L-rhamnopyranosyl)-β-D-glucopyranosideを平均収率80.2%で得た。この後、アグリコンとラムノース残基の保護基をtroc基に変換し、またグルコース骨格の6位OHをTBDPS基で保護後、3,4-tert-butyldiphenyl siloxy caffeic acidを活性化剤のDCCとDMAPを用いてグルコール骨格のC-4位に導入後、保護基をZn-AcOHとn-Bu4N^+F^- で除去し完成させる。 ^<13>CラベルActeosideの合成計画は、アシル基のカフェー酸の側鎖β位炭素を^<13>Cラベルした化合物をBa^<13>CO_3を用いる標準法により調製し、上のスキームにより導入する。 部分構造の(3',4'-dihydroxy phenyl)-ethylβ-D-glucoseの合成は、(3',4'-dihydroxyphenyl) acetic acidを出発原料として6ステップのスキームにより行い、平均収率70.2%で得た。
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