研究課題/領域番号 |
05660181
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
林産学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
水町 浩 東京大学, 農学部, 教授 (40022165)
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研究分担者 |
梶山 幹夫 東京大学, 農学部, 助手 (40191978)
竹村 彰夫 東京大学, 農学部, 助手 (50183455)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1994年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1993年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | ダンピング / 機能性木質材料 / 騒音公害 / 積層材 / 接着剤 / 動的粘弾性 / たわみ振動 / 衝撃音 |
研究概要 |
環境問題に関する社会的な規制が急速に厳しさを増している。人間が正常な生活を営むためには健康的で快適な環境が保証されなければならないのは言うまでもない。環境を乱す要因としてはいろいろあり、そのそれぞれに対して適切な科学的処方を明らかにすることは科学技術者に課せられた重大な使命である。本研究はこのうちの騒音問題に係わる機能性材料開発の可能性を追求したものである。 木材は建築材料、包装材料、その他様々な用途に使われているが、振動の減衰が非常に重要な要素になる場合が多い。接着剤は粘弾性体であるからある比較的狭い温度・周波数範囲内で損失係数が極端に大きくなる。従って化学構造や内部の高次組織をコントロールして、必要な使用条件下で必要な減衰を示す高分子材料を合成し、これを接着剤に使えば、振動減衰能を備えた新しい木質機能材料を作ることができることになる。 我々は、まず積層材の横振動と縦振動に及ぼす接着剤の影響を調べ、騒音低下には前者が重要であることを実験的にの確認した。次に積層材のたわみ振動による貯蔵弾性率、損失弾性率ならびにtansの測定法を考案し、これらに対する接着剤の粘弾性の影響について一つの法則性を見出した。また、積層材の振動減衰に及ぼす積層構造の影響についても検討し、対称的な多層構造にすれば減衰効果が大きくなることを確認した。つぎに、より優れた減衰性接着剤を開発するために一連のlPNやポリマーブレンド系を調製し、これを含む複合材料の減衰挙動を測定した。最後に、木材/接着剤/木材積層構造体の衝撃音を分析し、接着剤の損失係数と音の減衰との関係を明らかにした。本研究で得られた知見は新しい機能性材料の開発のための指針として利用できると思われる。
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