研究課題/領域番号 |
05660196
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
水産学一般
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
伊藤 絹子 東北大学, 農学部, 助手 (90191931)
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研究分担者 |
ITO Kinuko Tohoku University Faculty of Agriculture Assistant (90191931)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1995年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1994年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
1993年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 付着珪藻 / 河口域 / サブシステム / 生産機構 / 栄養塩供給 / 機能的連続性 / 底生生物 / 場の分化 / イソシジミ / 摂食実験 / 消費量 / 底質環境 / 生産構造 |
研究概要 |
河口汽水域の生産力の評価を行う上で重要なことは、複雑に入り組んだ生物生産系のしくみを解き明かすことである。本研究は、河口汽水域に生活している底生生物のおもな食物である付着珪藻に注目して、河口域における基礎生産者としての付着珪藻の役割、ならびにミクロに分化している環境との結びつき、さらに河口域という比較的狭い空間のなかにあって、異質に見える生産系相互の機能的連関関係を明らかにすることを目的として進めてきた結果、次の様な結論を得ることができた。 (1)名取川河口域干潟における付着珪藻の分布のしかたは、場所ごとに異なっており、干出時間、底質の粒度組成など物理的な環境条件と結び付き方の特徴から、いくつかのパターンに整理することができた。 (2)イソシジミをモデルとして、付着珪藻の消費機構を明らかにするための現場実験の手法として、標識貝の成長試験法を確率することができた。 (3)河口域の中で隣接しながら環境条件の異なる場所におけるイソシジミの生産過程を比較することにより、付着珪藻の増殖のしかたの違いを推察することができた。また、一次生産者としての付着珪藻の機能的地位が明らかになってきた。 (4)付着珪藻の増殖のしかたの特性とその場所の非生物的環境条件とは互いに結びつき、イソシジミの生産過程において重要なファクターになっていることが明らかになっていることが明らかになった。 河川域のように水の流動が大きくて、シルト%が低く、付着珪藻の増殖がよい場所では、イソシジミの成長がよく、水の流動が弱くて、シルト%が高く、付着珪藻のほかに緑藻やラン藻類などの増殖もみられるような入り江ではイソシジミの成長がわるい。 (5)イソシジミの飼育実験によって、珪藻類の摂食量と成長との関係を一次回帰式として求めることができ、現場における付着珪藻の摂食量と成長との関係の推定が可能になった。 (6)河口域干潟内の潮汐に伴う水の動き方を追跡してみると、水の流動の激しい時間帯には、干潟砂中からはアンモニウム塩などの栄養物質の溶出がみられ、隣接する場所に運搬されていることが明らかになってきた。すなわち異質な物質循環系であるかのようにみえるミクロサブシステムは実際は水の流動にともない連続していることが明らかになった。
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