研究課題/領域番号 |
05660197
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
水産学一般
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
大竹 二雄 東京大学, 海洋研究所, 助手 (20160525)
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研究期間 (年度) |
1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1993年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | ニホンウナギ / マアナゴ / 耳石 / Sr / Ca比 / 初期生活史 |
研究概要 |
ニホンウナギの耳石のSr含量とSr/Ca比は、いずれも中心部(Sr含量:0.34%、Sr/Ca:9.7×10^<-3>)から縁辺に向かって増加し、中心から60〜100μmの部分で最大(Sr含量:0.48%、Sr/Ca:13.5×10^<-3>)となり、その後急激に減少した(図)。一方、Ca含量はほぼ一定の値(36.2%)であった。耳石日周輪の解析から、Sr含量やSr/Ca比が急激に減少する部分は90〜100日齢に相当することが分かった。この日齢はニホンウナギがレプトケファルスからシラスへと変態して、黒潮から離脱すると考えられている時期に重なる。変態期のマアナゴでは、体組織中のSr濃度が変態の進行に伴って減少し、これと併行して耳石のSr/Ca比が減少することが観察された。実験に供したマアナゴはいずれも同一海域で同一時期に採集されたものであり、生息水温や塩分の変化が耳石のSr/Ca比に影響を及ぼしたとは考えにくい。これらの結果は、ウナギやマアナゴなどのウナギ目魚類の変態期仔魚の耳石Sr/Ca比が、変態過程における生理的変化に関連して変化することを示唆している。この知見は、ウナギ目魚類の変態期を同定する上で重要な知見である。ウナギ目魚類ではレプトケファルスからシラス(稚魚)への変態過程においてイオン代謝、栄養代謝が大きく変化すると考えられている。体組織のSr濃度や耳石のSr/Ca比の変化は、これらの代謝機構の変化に関係すると思われる。変態期における代謝機構の変化については、現在仔魚の酸素消費量の側面から解析を進めている。
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