研究課題/領域番号 |
05660218
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
水産学一般
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
平野 禮次郎 北里大学, 水産学部, 教授 (20011819)
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研究分担者 |
加戸 隆介 北里大学, 水産学部, 講師 (40161137)
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研究期間 (年度) |
1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1993年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 凍結保存 / 珪藻 / ハプト藻 / 耐凍性 / 定常期細胞 / 耐凍速度 |
研究概要 |
種苗生産に用いられている珪藻のChaetoceros calcitransとChaetoceros gracilisおよびハプト藻Isochrysis galbanaの凍結保存について以下の結果を得た。なお、藻類の培養条件は15℃、3000lux、24時間照明である。 1:珪藻2種では定常期到達後20日前後、I.galbanaでは定常期到達後30日経過した培養液中の細胞に強い耐凍性が認められ、いずれの種においても対数増殖期にある細胞よりも定常期に達した細胞が凍結保存に適していた。 2:F/2培地からN源、P源およびSi源を除去した改変倍地で培養した細胞では、N源除去培地においてC.calcitrans、C.gracilisおよびI.galbanaのいずれにも高い耐凍性が認められた。 3:凍結防御剤としてDMSO、グリセロール、セルバンカー(日本全薬工業)を用いて凍害防止効果を検討したところ、3者とも抗凍結効果が認められた。しかし、前2者は解凍後の培養で細菌汚染を招来しやすく、防御剤除去処理を完全に行うことが必要とされた。一方、DMSOは凍害防御効果は他の2種に劣るものの、解凍後の培養において細菌汚染の確率が低く、現状では最も実用的であった。DMSOの最適凍害防御効果が得られた濃度は5〜10%(v/v)で、細胞毒性のあるDMSOとの接触時間を30分以内にとどめれば両珪藻では約80%、I.galbanaでは60%の生残率が得られた。 4:2種類の凍結速度(0.1〜0.25℃/秒と1.5〜2.3℃/秒)で生残率を比較した結果、緩速凍結が優れていた。 5:解凍後の細胞接種密度は、80x10^4cells/mlが20あるいは40x10^4cells/mlに比べ最も速やかに増殖した。 6:被凍結細胞のクロロフィル含量、増殖能力は非凍結細胞のそれと差異は認められず、耐凍性は増加する傾向が認められた。 以上の結果は、珪藻2種の凍結保存は十分可能であることを示していたが、I.galbanaはさらに生残率を高めるための検討を必要とした。
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