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魚類における解凍硬直のメカニズムに関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 05660229
研究種目

一般研究(C)

配分区分補助金
研究分野 水産化学
研究機関東京水産大学

研究代表者

山中 英明  東京水産大学, 水産学部, 教授 (20092596)

研究期間 (年度) 1993
研究課題ステータス 完了 (1993年度)
配分額 *注記
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1993年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
キーワードコイ / 解凍硬直 / ATP / 筋原線維 / 筋小胞体 / カルシウムイオン / Mg^<2+>-ATPase / 透過型電子顕微鏡
研究概要

即殺したコイとマダイを急速凍結し,-40℃に貯蔵後,18℃で流水解凍を行った。解凍に伴ってATPなどは顕著に分解し,同時に筋収縮が始まった。筋肉の温度がコイで-1.1℃,マダイで-1.6℃で最も解凍硬直が著しく,ATPは完全に消失し,乳酸は最大に蓄積した。解凍硬直中に解糖系が速やかに進行し,供給されたATPが解凍硬直エネルギーとして使われ,筋肉が強く収縮することがわかった。さらに,即殺直後および解凍中のコイから筋原線維と筋小胞体(SR)を調製し,その性状変化を調べ,解凍硬直のメカニズムの解明を行った。即殺直後から解凍中にかけて筋原線維ATPase活性,すなわち、Mg^<2+>(Ca^<2+>)-ATPase,Mg^<2+>(EGTA)-ATPaseおよびCa^<2+>-ATPase活性に変化はみられなかった。一方,SRの性状を調べたところ,凍結と解凍によってSRのCa^<2+>-ATPase活性はやや上昇したが,SRのCaイオン取り込み能はほぼ消失した。SRのSDS-PAGEによってCaイオン結合能を有するタンパク質の変性が考えられた。そこで,透過型電子顕微鏡観察を行ったところ,即殺後に明瞭にみられたSRの膜構造は崩壊していた。そのため,Caイオンの大量漏出が起ったと考えられる。以上の結果より,コイの解凍硬直のメカニズムは次のように説明できる。凍結と解凍によってSRの膜構造が破壊され,SRのCaイオン取り込み能が消失するため筋細胞内のCaイオン濃度が高くなる。さらに,未変性筋原線維Mg^<2+>-ATPaseは遊離されたCaイオンによって賦活されてATPの急激な分解が起こり,著しい解凍硬直が発現するのである。

報告書

(1件)
  • 1993 実績報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 馬龍濱: "コイの解凍硬直に及ぼす致死および解凍条件の影響" 日本水産学会誌. 59. 145-150 (1993)

    • 関連する報告書
      1993 実績報告書

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公開日: 1993-04-01   更新日: 2016-04-21  

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