従来の国営および集団農場の経営形態から他の経営および所有形態への契約形態の転換として、(1)所有権の民間への移転、(2)民間への貸与(分益契約または地代契約)、(3)国が所有し経営者を任命(地代契約または分益契約)、(4)国が所有、管理、利用、の4方法がある。調査表に回答したほとんどの経営責任者は、上記(1)の“所有権の民間への転移"を希望している。しかし各国営および集団農場は銀行からの大きな負債を抱えていて、所有権を取得しようとする者はこの負債を返済しなければならないためその取得が困難になっている。したがって、こうした負債が制約となり所有権の民間移転はあまり発展していない。 他方、進展し始めている経営形態の転換は、上記(3)の“国が所有し経営者を任命"および(2)の“民間への貸与"である。これら両方法とも、こうした経営により負債を返済し、負債がなくなった時点で民間への所有権の移転を行うことになっている。このうち前者の“国が所有し経営者を任命"する場合、任命される経営者はほとんどの場合その国営農場の元の経営者である。しかしこの経営形態においても、経済改革以前のような国からの資金的援助は全くない。したがって、この経営形態と“民間へ貸与"の差はあまりない。 これまでに国営および集団農場のうち上記(1)、(2)、(3)への転換がなされた農場は僅かな数である。また(4)の“国が所有、管理、利用"する経営形態は、技術開発および試験研究など外部経済の大きい活動を行う農場のみとなるであろう。
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