研究課題/領域番号 |
05660269
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
農業土木学・農村計画学
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研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
藤井 卓 東京農工大学, 農学部, 教授 (90041920)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1995年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1994年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1993年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
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キーワード | 酸性雨 / 路面凍結防止剤 / 繊維強化 / 高炉スラグ微粉末 / セメント系複合材料 / 水酸化カルシウム溶出 / 透水係数 / 凍結融解抵抗性 / 炭素繊維 / アラミド繊維 / コンクリート / 融氷剤(路面凍結防止剤) / 微小硬度 |
研究概要 |
酸性雨、路面凍結防止剤(NaCl、CMAなど)の化学作用をうけるコンクリートの劣化防止対策を目的に、これらの溶液の作用をうけるセメント複合材料の挙動を明らかにし、これを基礎にコンクリートの性能向上に最も適した表面被覆用材料として、炭素繊維、アラミド繊維、高炉スラグ微粉末などを用いたセメント系複合材料の適用性について検討した結果、次のような知見を得た。 (1)Ca(OH)_2の溶出および硬度(強さに対応する物性)の低下は、硫酸溶液単独の場合よりも硫酸溶液と融氷剤溶液の複合作用の場合、とくに混合溶液の場合が最も大きく、さらにNaClよりもCMAの場合の方が大きい。 (2)残存Ca(OH)_2量は、スラグ置換率および繊維混入率の増加に伴って減少し、硬度はスラグ置換率および繊維混入性の増加に伴って増大する。 (3)スラグ置換率の増加に伴って透水係数は著しく低下し、凍結融解抵抗性は増大する。しかし、スラグ置換率70%では凍結融解抵抗率は著しく低下する。 (4)繊維混入率の増加に伴って透水係数はほぼ直線的に増大するにもかかわらず、凍結融解抵抗性は著しく向上し、繊維補強効果が透水係数の増大に起因する凍結融解抵抗性の低減作用を上回る。 (5)溶液の種類ではNaCl溶液の場合の透水係数が最も大きく、硫酸とCMAの混合溶液では小さい。しかし、いずれの溶液の場合も凍結融解抵抗性は小さい。 (6)被覆厚さの増加に伴って透水係数は低下するが、高炉スラグ微粉末を添加した場合は、厚さ3mm程度でも十分な遮水効果が得られる。 (7)表面被覆材としては水結合材比50%、スラグ置換率50%、繊維混入率1%の炭素繊維あるいはアラミド繊維で補強したセメント複合材が推奨される。
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