研究課題/領域番号 |
05660285
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
農業土木学・農村計画学
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研究機関 | 東京農業大学 |
研究代表者 |
中村 好男 東京農業大学, 農学部, 助教授 (40078192)
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研究分担者 |
佐藤 俊郎 東京農業大学, 農学部, 教授 (50078060)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1995年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1994年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1993年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
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キーワード | 農業用水 / 水収支 / 水質 / 還流機構 / 反復灌漑 / 地域保全 / 用水量 / 水管理 / 負荷量 / 還流 / 水質浄化 |
研究概要 |
平成5年度と6年度は低平地帯の立地特性を有する埼玉県中川流域と千葉県大利根用水地域を、また7年度は扇状地の立地特性を有する神奈川県足柄平野を対象に農業用水の還流機構と水質特性について研究を行った。その結果、いずれも高度な反復灌漑のもとに農業用水が利用されていたが、中でも中川流域では地域内に供給される農業用水量が多いこともあって排水河川流量の変動がCODとT-Nにみる水質濃度の変動よりも大きく、河川流量の増大とともに濃度は低下傾向にあることがわかった。またSSについては流量の変動の方が濃度の変動よりも大きく、河川流量の増大とともに濃度の上昇する傾向がみられた。大利根用水地域においては、地域内の農業用水量の絶対量が少ないためとかつての沼地を十拓したところから流量の変動に係わらず地域中央部での水質汚濁が進んでおり、今後は水質浄化のための新たな用水確保が課題となっている。なお、排水改良によって排水河川をコンクリートと鉄矢板構造にしたために地下水の横浸透能が低下し、浅層地下水の塩分濃度が非常に高くなっていることが判明した。足柄平野においては扇状地形にあって農業用水路と排水路が兼用されており、しかも複雑に入り組んでいる。灌漑形態は多くが田越し灌漑の方法をとっており、低水温による障害をこの灌漑法式で防いでいる。地域内を2つのブロックに分けて水収支と水質分析を行った結果、浸透水と蒸発散量を除いて農業用水が下流域に還元してくることがわかった。浸透量は日減水深にして30〜50mmであった。上・下流ブロック別に負荷量の減少率をみると、CODは-23.3%、BODは-35.3%、T-Nは-17.2%とかなりの減少傾向がられた。水田率については上流が44.3%、下流部が30.6%と上流部の方が大きいところから水田の希釈機能も手伝って負荷量の減少につながっていると判断できた。今後は農業用水の地域保全機能を配慮した農業用水量の算定を行う必要がある。
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