研究課題/領域番号 |
05660322
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
応用動物科学
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研究機関 | 茨城大学 |
研究代表者 |
高坂 哲也 茨城大学, 農学部, 助教授 (10186611)
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研究期間 (年度) |
1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1993年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | リラキシン / cDNAクローニング / 塩基配列 / 精のう腺 / 雄豚 |
研究概要 |
リラキシン[Relaxin,以下RXNと略す]は、妊娠ホルモンの一つで、妊娠の維持や分娩に重要な役割を果たす卵巣由来のペプチドホルモンであると考えられてきた。しかし申請者は、類似の物質が、豚の精液並びにその分泌源の精嚢腺に存在することを見出し、雄の新規ホルモンとしてのRXNの研究分野の確立を目指してきた。本研究は、申請者により発見された豚精嚢腺の新規ホルモンであるRXN様物質について、cDNAのクローニングとその塩基配列の解析を計画し、以下の成果を得た。 cDNAのクローニング: クローニングのために、まず、豚精嚢腺cDNAライブラリーを作製した。即ち、精嚢腺よりTotal RNAを調製後、poly(A)+mRNAを精製した。これを鋳型に、オリゴdTをプライマーとして逆転写酵素でcDNAを合成し、λgt10に挿入し、インビトロパッケージングを行い精嚢腺cDNAライブラリーを作製した。ついで、申請者が既に決定した豚精嚢腺 RXNの部分アミノ酸配列情報に基づいて合成した2種類のオリゴヌクレオチド(約20mer)をプライマーとして用い、精嚢腺で作製した一本鎖cDNAを鋳型としてPCR反応を行い、cDNAの断片を増幅させた。更に、これをプローブに用い、プラークハイブリダイゼーションにより、精嚢腺cDNAライブラリーのスクリーニングを行い、陽性のcDNAクローンを得る事に成功した。 塩基配列の解析: 得られたクローンの塩基配列を決定したところ、全長約0.7Kbで、5'非翻訳領域からpoly(A)付加シグナル並びにpoly(A)配列を含みmRNAの全長をカバーしていた。本クローンは、分泌タンパク特有のシグナルペプチドを有し、翻訳領域の配列の中に、以前決定したペプチドの部分アミノ酸配列が存在し、精嚢腺 RXN様物質をコードしていることが明かとなった。ホモロジー検索から、精嚢腺のRXN様物質は、卵巣RXNとは異なる遺伝子から発現した産物であることが示唆された。
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