研究課題/領域番号 |
05660324
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
応用動物科学
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
新村 末雄 新潟大学, 農学部, 助教授 (00156027)
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研究期間 (年度) |
1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1993年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | ウシ体外培養胚 / 表層粒 / 微細構造 / プロスタグランジンE_2 / 脂質 / アクチン / サイトケラチン / 組織化学 |
研究概要 |
1.LCA陽性の表層粒は、卵核胞期の卵母細胞では、大きな塊を成して細胞質に多数分布していたが、培養した卵母細胞では、塊状のものが崩壊して1個1個が単独で細胞質表層に分布するようになった。このような表層粒の分布を示す卵母細胞は、培養後24時間で73.3%みられた。また、成熟卵母細胞に媒精したところ、表層粒は、媒精後3、6および12時間の卵母細胞のそれぞれ40.0、47.5および68.8%から完全に消失した。2.ギャップ結合は16細胞期に初めて出現し、その後接合装置の種類は増加したが、閉鎖帯、接着帯、デスモソーム前駆体、デスモソームおよびギャップ結合がすべて形成されるのは拡張胚盤胞期であった。ミトコンドリアは、初期胚盤胞期までは球形あるいは楕円形で、板状クリステを持っていたが、拡張胚盤胞ではこれら以外に管状クリステを持つミトコンドリアが出現した。リボソームはすべての時期の卵子と胚にみられたが、拡張胚盤胞で増加した。粗面小胞体とライソソーム様小体は胚盤胞にのみ観察された。グリコゲン顆粒は2細胞期から桑実胚期の胚にのみ観察された。3.PGE_2は、桑実胚期までの卵子と胚では少なかったが、胚盤胞では初期、拡張期および孵化期のいずれでも多かった。また、未受精卵子と受精未分割卵子の間でPGE_2含量に相違はなかった。4.Sudan好性の脂質は、拡張胚盤胞期までの卵子と胚では多かったが、孵化胚盤胞では減少した。また、この脂質は類脂質と中性脂肪より成っていることが確かめられた。5.胚盤胞形成過程の胚において、明瞭なコンパクションは認められなかった。また、アクチンとサイトケラチンは16細胞期から胚盤胞期までの胚の細胞質にみられ、とくに、胚盤胞の栄養膜細胞では量が増加するとともに、細胞膜直下に局在していた。これらのことから、体外で成熟・受精させた卵子とこれを培養して発生させた初期胚は、形態学的に概ね正常であることが考えられた。
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