研究課題/領域番号 |
05660325
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
応用動物科学
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
中村 孝雄 岐阜大学, 農学部, 教授 (60021698)
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研究分担者 |
岩澤 淳 岐阜大学, 農学部, 助手 (90242742)
土井 守 岐阜大学, 農学部, 講師 (60180212)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1994年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1993年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | アポトーシス / ファブリシウス嚢 / リンパ組織 / DNAの断片化 / ステロイドホルモン / デキサメタゾン / ユビキチン / ストレス / プログラム細胞死 / グルココルチコイド / 核の凝縮化 / 遺伝子制御 |
研究概要 |
ニワトリにストレスが加わると、副腎皮質より分泌されるグルココルチコイドの血中濃度が高まり、細胞崩壊機構が働き始める。特に幼雛段階でのストレスは、体液性免疫を担うファブリシウス嚢におけるリンパ細胞の死滅が高まることで免疫記憶機構に不備が生じ、抗病性の低下を引き起こすことが考えられる。このグルココルチコイド誘導性のリンパ細胞死は通常知られている壊死とは全く異なった分子メカニズムである“アポトーシス"という細胞崩壊機構の関与が指摘されている。 本研究は、グルココルチコイドならびに他の数種類の性ステロイドホルモンを使用し、細胞死のメカニズムを追求した。 4週齢のニワトリヒナに、合成グルココルチコイド(dexamethasone),エトラジオール-ベンゾエイト、テストステロンなどのステロイドホルモンを投与すると、いずれのホルモンにおいても投与1時間後からファブリシウス嚢組織が退縮することが確認された。また、リンパろ胞の中にはリンパ細胞ならびに細網細胞の消失が著しい部位においては、嚢胞(空胞様構造)が認められた。さらに、ホルモン投与後の早い段階においてDNAの断片化がみられ、エンドヌクレアーゼが発現し、DNAのリンカー部位が切断されたことを確認した。一方、蛋白質の分析において、ホルモン投与後2〜72時間のそれぞれの時期にファブリシウス嚢の蛋白質を調べた結果、5種類の蛋白質が減少あるいは消失し、3種類の蛋白質の増加、発現が認められた。この増加した蛋白質の中には分子量が約8,500で、アミノ酸76個からなるストレス蛋白質であるユビキチン(ubiquitin)が存在した。このユビチキンを経時的に測定した結果、ホルモン投与の早い時期には増加を示すが、24時間経過した頃から減少しはじめ、48時間後では通常の約2分の1まで減少を示した。
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