研究課題/領域番号 |
05660377
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生物資源科学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
並河 鷹夫 名古屋大学, 農学部, 教授 (70111838)
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研究分担者 |
富田 武 名古屋大学, 農学部, 名誉教授 (70023421)
織田 銑一 名古屋大学, 農学部, 助教授 (60023660)
山縣 高広 (山縣 高宏) 名古屋大学, 農学部, 助手 (50242847)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1995年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1994年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1993年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 野生化家畜 / 野生化牛 / 口之島 / 遺伝資源 / 遺伝的変異 / 家畜系統史 / 体尺測定 / 口之島野生化牛 / 動物保護 / 系統史 / 牛 / 動物遺伝資源 / 動物資源保存 / 在来家畜 / 遺伝的多様性 / 遺伝資源保存 |
研究概要 |
我が国唯一の野生化純粋在来牛で、鹿児島県口之島に生息する口之島産野生化牛は現在約100頭生存している。本研究は、この純粋在来牛の資源としての評価・保存及び利用を図るため、1)新たな安定した繁殖コロニーを研究に適した場所に形成すること、2)遺伝的変異性の保存を図るための交配繁殖をすること、3)遺伝的行動的特性を把握すること、4)研究材料提供の基盤を作ること、を目的として実施した。 1990年から1993年に捕虜導入した雄2個体及び雌6個体を基礎繁殖集団として自然繁殖を試み、種雄牛及びその候補5頭、繁殖用成牛15頭、その他育成牛などからなる繁殖コロニーを形成した。これらは生物学的基礎データを得るための材料の供給や交雑種を用いた研究に利用できる状況となった。 この繁殖コロニーは生産雌はほぼ全頭繁殖に供与し、また複数の種雄を確保することにより、遺伝的変異性の消失を最大限少なくする交配、すなわち近交化をできるだけ抑える交配により維持できている。ミトコンドリアDNAの制限酵素切断断片長多型を15種類の制限酵素を用いて調査し、多の牛品種と比較したところ、口之島産野生化牛は多くのヨーロッパ品種と同様に原牛(タウルス)系の系統に属することが判明した。また、10部位における体尺測定値を基礎データとして主成分分析により結果、口之島産野生化牛はヘレフォード種やホルスタイン種よりも黒毛和種に類似することが判明した。 しかし、口之島産野生化牛は黒毛和種から、品種間差異レベルの形態的分化が認められ、これらは形態的特徴において明確に区別できることが明かとなった。 繁殖コロニーから得られる繁殖成績、成長パターン、交雑牛の成長・形態的特質にかんする基礎データを蓄積・解析し、公表準備中である。
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