研究概要 |
1995年2月現在で保有している種子数は211科3,947種18,083点である。日本産の雑草種の大部分の種の種子を収集することができた。雑草種子保有の種類数としては日本最大のデータベースができたと考えている。 本年度のもっとも大きな研究実績は,「写真で見る外来雑草」が出版できたことである。同書には30科172種の雑草を取り上げ,種子の写真のみならず,成植物の写真と解説を加えることができた。種子の形態は文章で表現するよりも写真で示す方がはるかに情報量が多く,理解し易いが,種子の写真がカラー印刷できたことでその目的は達成できた。 種子の形質測定は種子サイズに重点を置いて測定したが,同書では印刷倍率で示しただけで,数値として示すことができなかった。また種子の厚みについては一枚の写真では判断できない場合も多い。 本報告書には同書に掲載した種子のサイズと重量について主に報告した。種子のサイズは実体顕微鏡あるいは実物投影機を用いて測定した。したがって,小さな種子でも測定の精度は有効数字2桁以上は確保できた。 種子の形態は千差万別であるが,多くの種子のサイズを測定しその縦(L),横(W),厚み(T)の積と重量(Y)の間には種を越えて次の共通な相対成長関係があることが判った。log(Y)=a*log(L*W*T)+b :a,bは定数 写真はフォトCD化できたため,コンピュータやネットワークでの利用が可能となり,現在所有している種子やさく葉標本のデータベースと併せて,有効な利用が考えられる。
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