研究課題/領域番号 |
05670045
|
研究種目 |
一般研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生理学一般
|
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
尾野 恭一 九州大学, 医学部, 助手 (70185635)
|
研究期間 (年度) |
1993
|
研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
|
配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1993年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
|
キーワード | 心筋細胞 / クロライド電流 / サイクリックAMP / サイクリックGMP / かごめ化合物 |
研究概要 |
モルモットの心室筋細胞を単離し、cGMPのイオン電流に及ぼす効果について、パッチクランプ法により解析した。cGMPは、電極内灌流及びcaged化合物をパッチ電極内に詰める事により直接細胞内に投与した。心筋には、カテコラミン刺激で活性化されるC1電流が存在する。caged-cGMPを細胞内に投与し、低濃度カテコラミン刺激下に紫外光を照射したところ、C1電流振幅がさらに増大した。しかし、cGMP単独ではこの電流を活性化しなかった。次に、caged-cAMPを細胞内に投与し、紫外光照射によりcAMPを瞬時的に遊離した時の、C1電流の活性化を観察した。電流の活性化には数秒を要し、最大反応後徐々に不活化した。cAMP代謝阻害剤存在下では反応が持続する事から、電流の不活化は、遊離したcAMPが内因性の加水分酵素によって分解される事によると考えられた。数muMのcGMPを細胞内に投与しておくと、cAMPに対する反応がコントロールのそれと比較して有意に遅延した。以上の事から、哺乳類においてはcGMPは、cAMPの分解を抑制する事によりbeta受容体刺激を促進していると結論し、European Journal of Physiologyに発表した。 さらに、cAMPによるC1電流活性化の反応速度について解析した。電流活性化はS字状の時間経過を示し、その後半部分は時定数1-2秒の指数関数でほぼ近似できた。この時間経過はcAMPの濃度に依存し、またフォスファターゼ阻害剤によって修飾されることから、チャネル蛋白の燐酸化過程を反映すると考えられた。この結果は現在投稿中である。
|