研究課題/領域番号 |
05670058
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生理学一般
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研究機関 | 大阪医科大学 |
研究代表者 |
萩原 暢子 大阪医科大学, 医学部, 講師 (00164765)
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研究期間 (年度) |
1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1993年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | patch-clamp法 / 単離尿細管細胞 / Kチャネル / イオンチャネル阻害剤 / pH感受性 |
研究概要 |
アフリカツメガエル腎遠位尿細管由来の培養細胞(A6細胞)にパッチクランプ法を用いて、抗利尿ホルモン作用の分子レベルの解析を試みた。今回はCO_2インキュベータ等の設定条件が哺乳動物と異なりA6細胞の使用が困難となったために、アフリカツメガエルと同様の両性類(食用蛙)の単離尿細管細胞を用いて実験した。この細胞を用いた実験の報告はあまりなく、当教室でも細胞条件を決定するためにかなりの時間を費やした。そのため現時点では、抗利尿ホルモン作用実験の予備段階として、単離尿細管細胞に存在するチャネルの解析を行った。実験には、コラゲナーゼ処理した食用蛙二重潅流腎から尿細管細胞を単離して用いた。電極の先端径は2mum以下でシール抵抗は50OMEGA以上のもので実験した。 1.まずwhole-cell recordingを行って、細胞膜全コンダクタンスを測定しながらイオンチャネル阻害剤を投与すると、5mMBa溶液でコンダクタンスが減少し、溶液K濃度を増すとコンダクタンスが増大した。これよりKチャネルの存在が示された。 2.次に、cell-attached patchにより3種類のチャネルが出現し、inside-out patchで電流電圧曲線を求めると、これらのチャネルがそれぞれ約250pS、70pS、20pSの単一チャネルコンダクタンスを有するKチャネルであることが分かった。 3.70pSのKチャネルは内向き整流性があり、細胞内酸性化でチャネル活性は抑制され、アルカリで活性化された。 以上の結果より、食用蛙単離尿細管細胞には、単一チャネルコンダクタンスが約250pS,70pS、20pSのKチャネルが存在し、70pSのチャネルはpH感受性を有することが分かった(第71回日本生理学会大会発表)。これらのデータを踏まえて、次の段階では抗利尿ホルモンの作用を調べる。
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