研究課題/領域番号 |
05670061
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生理学一般
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研究機関 | 国立循環器病センター |
研究代表者 |
松川 寛二 国立循環器病センター研究所, 心臓生理部, 室長 (90165788)
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研究分担者 |
二宮 石雄 広島大学, 医学部・保健学科, 教授 (80033976)
西浦 直亀 国立循環器病センター研究所, 心臓生理部, 室員 (70132933)
白井 幹康 国立循環器病センター研究所, 心臓生理部, 室長 (70162758)
進藤 哲明 国立循環器病センター研究所, 心臓生理部, 室員 (30235775)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1994年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1993年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
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キーワード | 軟X線血管造影 / 骨格筋微小血管 / 交感神経 / コリン作動性血管拡張 / 一酸化窒素 / vasodilation / nitric oxide |
研究概要 |
骨格筋微小血管系の動的変化を可視化するため、新しいX線TV画像システムを開発した。X線TVカメラを用いて軟X線爆射中に大腿動脈から注入した造影剤の流れを毎秒30コマの速度で撮影した。後肢動脈系の分岐にそって太い動脈(内径500-1000μm)から骨格筋(下腿三頭筋)微小動脈(内径100-500μm)に至るまで血管像を観測した。ビデオ画像から血管内径・血流速度・血流量の動的変化を解析した。 この方法を用いて、骨格筋動脈の血管運動の神経性調節機構に関する新たな知見を得た。後視床下部側野を刺激した時、骨格筋の微小動脈内径は増加したが、筋肉実質外の太い動脈の内径は変化しなかった。この血管内径の増加は座骨神経の切断やアトロピンにより消失したが、αおよびβブロッカーでは遮断されなかった。以上の結果から視床下部刺激による骨格筋微小動脈の内径増加は、カテコールアミンなど体液性因子ならびにアドレナリン作動性交感神経により生じたものではなく、交感神経コリン作動性線維-ムスカリニック受容体を介した血管拡張であると考えられる。この血管拡張は、骨格筋の微小動脈で特異的に起こることを初めて明らかにした。また一酸化窒素(NO)合成阻害剤はこの筋血管拡張を減弱したので、NOはコリン作動性血管拡張に一部関係することが示唆された。一方、後視床下部尾側野を刺激した場合、骨格筋微小動脈の内径は減少した。このように骨格筋微小動脈内径の増加あるいは減少いう血管運動は、視床下部の刺激部位に対応して選択的に出現することが判明した。この血管内径の減少はαブロッカーや神経節ブロッカーで減弱したので、交感神経アドレナリン作動性線維を介した血管収縮であると思われる。α性血管収縮はコリン作動性血管拡張よりも末梢側で起こる傾向があり、ネコ骨格筋微小動脈の交感神経支配についてアドレナリン作動性線維とコリン作動性線維の分布域が異なると思われる。
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