研究課題/領域番号 |
05670063
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
環境生理学(含体力医学・栄養生理学)
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
坂口 武夫 新潟大学, 医学部, 助手 (40108022)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1994年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1993年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 胃酸分泌 / ペプチド作動性神経 / 室傍核 / 延髄 / 胃機能 / 視床下部 / 性差 |
研究概要 |
ラットで、片側の迷走神経背側核にガストリンを投与すると胃酸分泌が促進され、同核の神経細胞にガストリン感受性が存在することが判明した。ガストリンを左右の核に同時投与すると、片側投与と比較して、より大きな分泌促進反応が誘発された。しかし、反応の開始と持続時間は変化しなかった。また、片側投与で無効の用量でも両側への同時投与で相加的促進反応が得られた。これらの観察は、左右核に分泌反応の強さと反応閾値を変調する神経回路が存在することを示している(投稿準備中)。一方、片側投与のオキシトシンは胃酸分泌を抑制することから、同核細胞のオキシトシン感受性が明らかとなった。両側への同時投与は、片側投与と比較して、反応の強さ、開始と持続時間を変えなかった。片側投与で無効の用量を両側に投与してもより強い分泌抑制効果は得られなかった。従って、両核の機能相間の存在は否定された。これらの所見と組織学的検索から、迷走神経背側核にペプチド感受性細胞が存在し、異なる方向性を示す分泌調節系を中継するとの確信を得た(投稿準備中)。延髄核間で、迷走神経背側核と孤束核の機能相関を調べる目的で孤束核を破壊しても、迷走神経背側核投与のガストリンとオキシトシン由来の胃酸効果は影響を受けなかった。すなわち、内臓からの入力神経信号はこの胃酸分泌系に関与しないと理解された。雌動物の卵巣による修飾特性を求める系は、低血糖下で基礎胃酸分泌量の分散が大きく判定方法を含めて改良のための時間を費やした。測定系全般の見直しを迫られているが、基礎的資料は報告した(発表)。本研究はグルコース代謝とペプチド活性発現であるが、得られた所見の大枠は総説として発表した(印刷中)。更に、胃酸分泌を補完する胃運動に対する脳内の回路特性に関する知見も得た(発表)。
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