研究課題/領域番号 |
05670098
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
薬理学一般
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
山本 秀幸 熊本大学, 医学部, 講師 (60191433)
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研究分担者 |
福永 浩司 熊本大学, 医学部, 助教授 (90136721)
宮本 英七 熊本大学, 医学部, 教授 (50109659)
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研究期間 (年度) |
1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1993年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | カルシウム / カルモデュリン / 蛋白質燐酸化酵素 / 微小管付随蛋白質 / 神経細胞 / PC12細胞 / 細胞分化 / 分子生物学 |
研究概要 |
ネオマイシン耐性遺伝子とCaMキナーゼIIアルファ-サブユニットに対するcDNAを有する発現ベクターを作成した。本発現ベクターをPC12細胞に導入し、G418処理により、CaMキナーゼIIアルファ-サブユニットを大量に発現する複数の安定なクローン細胞の確立に成功した。得られたクローン細胞を用いて、以下の実験を行なった。1)CaMキナーゼIIアルファ-サブユニットに対するcDNAを用いて、ノーザンブロツトを施行した。クローン細胞では、CaMキナーゼIIアルファ-サブユニットのmRNAの発現が確認された。野生型PC12細胞のCaMキナーゼIIのmRNAは本プローブでは検出されなかった。2)脳のCaMキナーゼIIに対する抗体を用いてイムノブロツトを施行した。クローン細胞ではCaMキナーゼIIアルファ-サブユニットの発現が確認された。野生型PC12細胞では抗体との反応性が弱く、PC12細胞内に、脳とは異なるアイソザイムの存在が示唆された。3)細胞内カルシウム濃度を増加させる刺激により、発現したCaMキナーゼIIが活性化されることが確認された。4)クローン細胞では微小管付随蛋白質2(MAP2)の燐酸化反応が増強された。本反応は、細胞内カルシウム濃度の増加により著しく促進された。5)細胞に分化刺激を与えた場合の神経突起伸展がクローン細胞では著明に抑制された。この抑制は酵素の発現量と相関した。以上の結果より、過剰発現されたCaMキナーゼIIが細胞骨格蛋白質の燐酸化反応を増強させ、神経細胞の形態変化に影響を与えることが明らかになった。これらの研究成果は本酵素の神経細胞分化に果たす役割を解明するうえで重要な知見を与えるものと考えられる。
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