研究課題/領域番号 |
05670099
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
薬理学一般
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研究機関 | 宮崎医科大学 |
研究代表者 |
和田 明彦 宮崎医科大学, 医学部, 教授 (30131949)
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研究分担者 |
山本 隆一 宮崎医科大学, 医学部, 助手 (10094111)
占部 正信 宮崎医科大学, 医学部, 助手 (00094087)
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研究期間 (年度) |
1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1993年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | Na channels / Expression / A Kinase / C Kinase / ^3H-saxitoxin / ^<22>Na influx / Veratridine / Brevetoxin |
研究概要 |
Naチャネルのdensityは、ニューロンの各部位において、それぞれけ個有の範囲に保たれており、そのことが細胞興奮性を精緻に調節し、ひいては、細胞機能(神経伝達物質の合成、分泌など)を大きく修飾している。 遺伝子転写に関与するtrans-elementsが、リン酸化を受けることにより活性化されることが知られている。そこで、今回、私達は、培養ウシ副腎髄質細胞Naチャネルの発現を変動させる細胞内メッセンジャー、蛋白質リン酸化酵素を検討した。 1.Aカイネースの関与 a)細胞内環状AMP濃度を上昇させる因子(環状AMP、フォスフォジエステラーゼ阻害剤、フォルスコリン)の慢性(10数時間)投与は、Naチャネルへの^3H-サキシトキシン結合のBmaxを増加させた(Kdは不変)。これらの作用は、Aカイネース阻害剤投与により阻止された。 b)投与阻害薬アクチノマイシンD、翻訳阻害薬サイクロヘキサマイド、蛋白グリコシレーション阻害薬テュニカマイシンの存在下では上記の^3H-サキシトキシン結合量増加は認められなかった。 c)ヴェラトリジン、ブレベトキシンによる細胞内への^<22>Na流入のアロステリック調節機構は、処理細胞においても保持されていた。ヴェラトリジン、ブレベトキシンのEC_<50>は不変であったが、^<22>Na流入量は増大した。 Cカイネースの関与 a)プロテイン・カイネースC(PKC)賦活薬処理細胞では、10数時間の潜時ののち、^3H-サキシトキシン結合のBmaxが減少した(Kd不変)。PKC活性化作用をもたないアナログは、効果がなかった。これらの作用は、Cカイネース阻害薬により阻止された。 b)PKC賦活薬の作用は、PKCのdown-regulation(^3H-PDBu結合で測定)ののちに進行した。^3H-PDBu結合、および、^3H-サキシトキシン結合のdown-regulationは可逆的であった。 c)Naチャネル崩壊率は、PKC賦活薬処理群と対照細胞との間では差を認めなかった。 ヴェラトリジン、ブレベトキシンのEC_<50>は不変であったが、^<22>Na流入量は減少した。 以上、Aカイネース、Cカイネースによりリン酸化された転写調節蛋白が、Naチャネル遺伝子の発現を促進、抑制していることが示唆された。
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