研究課題/領域番号 |
05670102
|
研究種目 |
一般研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
薬理学一般
|
研究機関 | 慶応義塾大学 |
研究代表者 |
山本 慧 慶應義塾大学, 医学部, 助教授 (50138129)
|
研究分担者 |
石原 素子 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (10203019)
|
研究期間 (年度) |
1993
|
研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
|
配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1993年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
|
キーワード | FK506 / 発毛促進作用 / 局所塗布 / マウス / SCIDマウス |
研究概要 |
FK506は放線菌が産生するマクロライドでT細胞に選択的且つ強力な免疫抑制薬として知られており、臓器移植における有用性が臨床レベルで確認されている。我々は最近マウス皮膚2段階発がん実験においてホルボールエステルによる発がんプロモーション、即ち腫瘍の形成を、FK506が強く抑制する事実を見い出した。この研究の過程で我々はFK506の局所塗布によりマウス皮膚に於ける発毛が著しく促進される事実を見い出した。本研究はFK506の局所塗布による発毛促進作用をin vitro毛嚢レベルで生化学的に確認し、さらに、その発毛促進作用と免疫抑制作用との関係を明らかにする目的で行った。まずマウスに認められた発毛促進作用がマウス以外の種でも見られるか否かを検討したところ、この発毛促進作用はマウスのみでなくラットやハムスターでも認められた。FK506の発毛促進作用は経口投与では認められず、これは、臨床の場で副作用としてhypertrichosisが報告されていない事実と一致している。FK506による発毛促進作用がFK506による免疫抑制作用の結果生じたものであるか否かを細胞性及び液性の両免疫能の欠損したscidマウスを用い検討したところ、scidマウスにおいても発毛促進作用が認められ、FK506による発毛促進作用は免疫抑制の結果生じたものではないことが示された。次にFK506による発毛促進作用が毛嚢に対する直接作用であるか否かを〔^3H〕thymidine及び〔^3H〕glycineの毛嚢への取り込み実験で検討したところ、これらの取り込みがFK506により、濃度依存的に促進され、FK506の発毛促進作用が少なくともその一部は毛嚢への直接作用によるものであることが示された。さらに毛嚢を組織培養し、FK506に増殖促進作用があるか否かを検討したところ、有意な増殖促進作用が認められた。また正常ヒト皮膚片を移植したscidマウスの移植皮膚における発毛(ヒト由来の毛)がFK506で促進されるか否か、更にヒトmale-pattem alopeciaにおける発毛促進作用についても現在検討中である。
|