研究課題/領域番号 |
05670142
|
研究種目 |
一般研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
病態医化学
|
研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
碓井 裕史 広島大学, 医学部, 助教授 (40127618)
|
研究分担者 |
田邉 修 広島大学, 医学部, 助手 (70221398)
有木 政博 広島大学, 医学部, 助手 (50212642)
|
研究期間 (年度) |
1993
|
研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
|
配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1993年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
|
キーワード | プロテインホスファターゼ / タイプ2Aホスファターゼ / 赤血球 / リン酸化・脱リン酸化 / A-キナーゼ / C-キナーゼ / 脱リン酸化酵素 / 酵素サブユニットの再構成 |
研究概要 |
ヒト赤血球に、当教室で新たに見い出したタイプ2Aプロテインホスファターゼはα_1β_1δ_1のサブユニット構造を持ち、α(34kDa)が触媒サブユニット、β(63kDa)とδ(74kDa)が調節サブユニットである。本年度は74kDaδサブユニットの機能解析のための基礎的実験を重点的に行った。純化したα_1β_1δ_1からδとα_1β_1をヘパリン・セファローズカラムを用いて分離した。δとα_1β_1を0.5M NaCl存在下で混合し、α_1β_1δ_1とα_1β_1を完全に分離し得る条件でスーパーデラックス200のゲル濾過を行うと、一部α_1β_1δ_1が再構成された。一方、δはA-キナーゼまたはC-キナーゼでリン酸化されることを当教室で明らかにしているので、δとα_1β_1の結合に及ぼすδのリン酸化の影響を見た。その結果、A-キナーゼによるδのリン酸化が、δのα_1β_1への結合を促進することを見い出した。現在、再構成されたα_1β_1δ_1の性質を詳細に調べている。他方、δの組織分布やcDNAクローニングのために、δに対する抗体を作製した。上述の方法で単離したδをリビ・アジュバンドシステムを用いてマウスの腹腔に投与し、δに特異的な抗体を得た。この抗体はラットの70〜72kDaのタンパク質と特異的に反応する。ウエスタンブロット法で、これらのタンパク質の組織、細胞内分布を解析中である。一方、この抗体を用いてヒト骨髄cDNAライブラリーからこの抗体と反応するタンパク部分に対応するDNA断片を含むクローンをスクリーニング中である。δのcDNAのクローニングによる一次構造の決定、δのcDNAをプローブとしたノーザンブロット法によるδのmRNAの組織分布、δとα_1β_1の解離、再構成によるδのリン酸化の意義を明らかにし、δの機能を解明する。
|