研究課題/領域番号 |
05670163
|
研究種目 |
一般研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
人体病理学
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
町並 陸生 (町並 睦生) 東京大学, 医学部(医), 教授 (30010052)
|
研究分担者 |
黒田 雅彦 東京大学, 医学部, 助手 (80251304)
森 正也 東京大学, 医学部, 助手 (90210137)
堀内 啓 東京大学, 医学部, 助手 (10190240)
|
研究期間 (年度) |
1993 – 1994
|
研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
|
配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1994年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1993年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
|
キーワード | 骨軟部腫瘍 / 組織学的悪性度 / ATPase / 染色体分析 / 腫瘍関連遺伝子 / 免疫組織化学 / 分子生物学 / フローサイトメトリー |
研究概要 |
本研究分担者が作製したヒト黄紋筋より抽出したカルシウムATPaseに対するモノクローナル抗体を用い、種々の骨軟部腫瘍を免疫組織化学的に検討したところ、横紋筋肉腫、滑膜肉腫、脊索腫及び軟骨肉腫が陽性を呈した。滑膜肉腫や脊索腫のように上皮的性格を持つ腫瘍が陽性となることは興味深い。 骨格外粘液軟骨肉腫の1例について染色体分析を行ったところ、染色体数のモードは46であり、解析した23細胞のうち、22細胞にt(9 ; 22)(q22 ; q12)及び5qの構造異常が認められた。これまで報告された本腫瘍の染色体異常では9q22-q31と22q11-q12.2を切断点とする転座が2例に認められており、染色体_<9q、>22qの異常が骨格外粘液軟骨肉腫の発生に関与した特異的な構造異常である可能性のあることが示唆された。 粘液型脂肪肉腫は、染色体異常としてt(12 ; 16)転座を有し、転座切断点領域の分子機構の解析によるTLS-CHOPのキメラ遺伝子が形成されていることが報告されている。8例の粘液型脂肪肉腫について、RT-PCR法を用いて、このTLS-CHOPキメラ遺伝子を検索したところ、8例中7例に陽性所見を得たが、1例の多形型脂肪肉腫と3例の粘液型悪性線維性組織球腫(粘液型MFH)では陰性であった。従って、t(12 ; 16)転座を有する粘液型脂肪肉腫の診断及び粘液型MFHとの鑑別にはキメラ遺伝子の検索が有用であることが示された。 軟骨肉腫16例のp53遺伝子及びその関連の蛋白質を免疫組織化学的ならびに分子生物学的に検索し、16例中2例でp53関連蛋白質が免疫組織化学的に陽性となり、この2例のいずれにも分子生物学的に点突然変異が認められた。これら2例の軟骨肉腫はいずれも組織学的悪性度が3度で、1例は通常型で他の1例は淡明細胞型であった。
|