研究課題/領域番号 |
05670169
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
人体病理学
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
水上 勇治 金沢大学, 医学部・附属病院・病理部, 講師 (60110540)
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研究分担者 |
滝沢 剛則 金沢大学, 医学部・生化学, 講師 (40192158)
道岸 隆敏 金沢大学, 医学部・附属病院・核医学, 講師 (60020012)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1994年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1993年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | TSH受容体 / 免疫組織化学 / モノクロナール抗体 / Up-regulation / モノクローナル抗体 / up‐regulation / 甲状腺 |
研究概要 |
甲状腺濾胞細胞におけるTSH受容体は、甲状腺濾胞細胞の機能と増殖をコントロールする最も重要な膜受容体である。最近慢性甲状腺炎、グレブス病患者において患者血中にTSH受容体に対する自己抗体が存在することが知られ、これにはblocking typeとstimulating typeがあり、共に患者の甲状腺機能に深く関与している。また甲状腺癌においてもTSH受容体が存在し、癌の増殖、進展に深く関与していることが明らかとされている。しかしこのTSH受容体の分子構造や性状については十分に解明されておらず、また形態学的にも、TSH受容体の濾胞細胞での存在部位、種々の甲状腺疾患におけるTSH受容体の量的及び局在の変化については、現在まで全く明らかとされていなかった。 本研究では、フランス国立内分泌研究所Milgrom教授より供与された、この人TSH受容体β-subunit蛋白に対するモノクロナール抗体を用い、甲状腺組織におけるTSH受容体の局在、分布に関する免疫組織化学的検討を行ってきた。その結果、TSH受容体は甲状腺濾胞細胞の基底側細胞膜に存在し、その蛋白量は甲状腺腺腫、癌で正常甲状腺に比し増加し、さらにGraves病甲状腺では極めて増加していることを明らかとした。このことは腺腫、癌でTSH受容体が保たれていること、又グレブス病甲状腺ではTSH受容体がup-regulateされ、これがGraves病における甲状腺機能亢進の病因の一つとなっている可能性を示唆するものであった(Mizukami Y.et al.J Clin Endocrinol Metab.79:616,1994)。さらに私達はTSH受容体の発現を蛋白レベルのみならず、さらにmessenger RNAレベルでも検討し、免疫組織化学的に得られた結果をさらに検証すべきと考え、現在western blotting法およびin situ hybridization法を用いて検討中である。
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