研究課題/領域番号 |
05670183
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
人体病理学
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
須田 耕一 順天堂大学, 医学部, 教授 (80090596)
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研究分担者 |
高瀬 優 順天堂大学, 医学部, 助手 (40266028)
三宅 知雄 順天堂大学, 医学部, 助手 (10255656)
塚原 宗俊 順天堂大学, 医学部, 助手 (80245696)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1994年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1993年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 慢性アルコール中毒 / 慢性膵炎 / 膵小葉間線維化 / 肝硬変 / 筋線維芽細胞 / 線維芽細胞 / prolyl hysroxylase / アルコール / 蛋白栓・膵石 / 膵腺房周囲線維化 / prolyl hydroxylase / 膵線維化 / アルコール依存症 |
研究概要 |
アルコール依存症の46例、慢性アルコール中毒剖検53例、慢性アルコール性膵炎30例について膵線維化の分布を検索し、それは小葉間と小葉内に大別された。小葉間線維化はびまん性または散在性に分布し、残された小葉は比較的健常であった。蛋白栓・膵石併存例では線維化が小葉内にも分布するものが多く、また小葉間の線維化は幅が拡くなり、最終的に完全に線維で置換された。これに対し、小葉内線維化は主として腺房周囲性に線維化がみられ、びまん性に分布した。進行例では線維化と腺房の萎縮が増強するものの完全に線維に置換されることはなかった。前者は慢性アルコール性膵炎臨床診断例に一致し、後者は肝硬変を併存するものに多かった。 以上の結果より、小葉間線維化と小葉内線維化は病態・成因が異なると考えられた。さらに両者の違いを明確にするために以下の検討を行った。すなわち、線維化の分布と蛋白栓・膵石の併存や脾静脈・総胆管への波及の有無を検討すると、いずれも小葉間線維化で多く認められ、小葉内線維化との違いが明らかになった。 膵腺房周囲の線維化の発生機序をアルコール多飲者・非多飲者の膵組織を用いて電顕的に検討した。その結果、腺房周囲の膠原線維の増加と共に筋線維芽細胞や線維芽細胞が増加していた。両細胞と膠原線維の間には径13-15nmのmicrofibrilを多数認めた。以上より、腺房周囲の線維化は筋線維芽細胞などの間葉系細胞が深く関与していると考えられた。 コラーゲン合成に関与しているprolyl hydroxylaseの局在を調べると、免疫組織化学的に腺房細胞に分布し、さらに免疫電顕的に検討すると腺房細胞の核膜、小胞体、ライソゾームに局在が認められた。このことより膵の線維化に腺房細胞の関与も想定され、今後の発展が期待される。
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