研究課題/領域番号 |
05670186
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
実験病理学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
池田 仁 北海道大学, 医学部, 助手 (20232192)
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研究分担者 |
脇坂 明美 北海道大学, 医学部, 助教授 (90113646)
吉木 敬 北海道大学, 医学部, 教授 (60220612)
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研究期間 (年度) |
1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1993年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | ヒト内在性レトロウイルス / 遺伝子発現 / 蛋白発現ベクター / 遺伝子クローニング / 塩基配列 |
研究概要 |
本研究計画ではヒト内在性レトロウイルス(内ウ)であるHERV-Rを使用して、1)その各臓器での発現の検討、2)HERV-R env遺伝子の発現ベクターの作製と特異的抗体の作製、3)HERV-Rと相同性のある新しいヒト内ウのクローニングを構造解析について研究を行い、以下の成果を得た。 1)HERV-Rは正常人個体内各臓器に広くそのmRNA発現が確認され、新たに大脳、脊髄、肺、腎、副腎での発現を証明した。特に副腎で胎児、成人を問わず、高発現が確認され、臓器特異的高発現内ウである可能性が示唆された。また、HERV-R発現誘導実験では培養正常腎尿細管上皮において、IL1β投与時にその発現増強が確認された。一方、慢性関節リウマチ(RA)患者滑膜でその発現の検討をした所、個体差をもってその発現が見られたが、対照とした変形性関節炎(OA)滑膜でも発現が見られ、RAとHERV-Rの発現との関係は証明されなかった。 2)HERV-R env領域ORFとHLA-DP膜貫通部から細胞内ドメイン部を結合させた細胞表面発現型HERV-R env/DPキメラ蛋白発現ベクターを作製し、マウスL細胞およびA20Bリンパ腫細胞上にこのキメラ蛋白を発現させた。また、大腸菌発現ベクターにHERV-R envの一部を組み込み、組み換え蛋白の作製に成功し、現在これらを抗原とした抗HERV-R envモノクローナル抗体の作製中である。 3)SY1,SY2,SY3の3種のHERV-Rと相同性のある1コピー型ヒト内ウ断片をクローニングし、その一部塩基配列を決定した。SY1はY染色体上にマップされる新しいヒト内ウであることを明らかとした。SY-2は多くの種に存在する内ウと広く相同性のある新しい内ウであった。SY3は内ウenv領域内にU3 snRNAのregulatory elementを含むモザイク型内ウであった。現在これらのウイルスの発現について検討中である。
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