研究課題/領域番号 |
05670194
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
実験病理学
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研究機関 | 高知医科大学 |
研究代表者 |
大〓 祐治 高知医科大学, 医学部, 教授 (30136387)
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研究期間 (年度) |
1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1993年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | HTLV-I / HTLV-II / Lymphocyte / HLA-D antigen / T cell receptor / CD3 / Ultrastructure / Immunoelectron microscopy |
研究概要 |
HTLV-I産生細胞については、CD3、4、5、25、HLA-Dの各抗原が発現されているが、培養経過と共にCD4、5は脱落するが、CD25やHLA-Dが持続的に強陽性である。T細胞受容体(TCR)に関しては、HTLV-Iキャリアーや正常ヒトリンパ球を比較対象として検討した結果、HTLV-I産生細胞株では、TCRalpha/betaは減弱ないし消失しており、alpha鎖は陰性、beta鎖はごく一部の核膜や粗面小胞体に反応を認めるのみであった。短期培養キャリアーリンパ球では、alpha鎖の減弱が早期にみられ、ついで細胞膜表面のTCRalpha/betaの消失、beta鎖のみの遺残が観察された。TCRalpha、beta鎖は共に核膜や粗面小胞体とのみ反応し、TCRalpha/beta鎖は細胞膜表面のみに陽性所見が得られたCD3は、長期培養HTLV-I産生細胞以外では存在しており、HTLV-I産生細胞には、CD3・TCR複合体の様々な発現異常がみられ、T細胞としては、機能不全状態にあるものと考えられた。HTLV-II産生細胞は、CD3、25、HLA-D抗原発現がHTLV-I産生細胞と同様に認められ、CD4やCD8陽性のものが樹立されるが、これらは培養経過と共に脱落していく。CD25、HLA-Dの持続的な強い発現は、HTLV-I産生細胞においても観察されており、HTLV-IとHTLV-II産生細胞に共通した大きな特徴と考えられる。HTLV-II粒子の微細形態の確立は未だなされておらず、HTLV-Iと同様のC型粒子がごく少数認められるものの、粒子としての特徴像は今一つ明確でなく、HTLV-I粒子とは異なっていることは明白である。これらの点も含めてTCRの発現状況についての検討が今後必要である。
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