研究課題/領域番号 |
05670195
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
実験病理学
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研究機関 | 佐賀医科大学 |
研究代表者 |
毛利 資郎 佐賀医科大学, 医学部, 助教授 (40117271)
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研究分担者 |
北本 哲之 九州大学, 医学部, 講師 (20192560)
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研究期間 (年度) |
1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1993年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | プリオン蛋白 / CJD / マウス / 軸策内輸送 / コルヒチン / IDPN / 濾胞樹状細胞 |
研究概要 |
(1)組織中のプリオン蛋白を検出するため、免疫組織染色に用いる抗マウスプリオン抗体を作成した。すなわち、マウスプリオン蛋白のN-末25個のアミノ酸からなるポリペプチドを合成し、ウサギに免疫した後全採血し抗血清を得た。この血清は、精製後、クロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)の感染因子のマウス順化株である福岡1株(F1株)を接種後発症したマウスの脳および脾臓、リンパ節の濾胞樹状細胞(FDC)に沈着する異常マウスプリオン蛋白と特異的に反応することを確かめた。(2)NZW/Sea(以下NZW)マウス8〜12週齢♀にコルヒチン(和光純薬、大阪)を1mg/kgを尾静脈内に注射し、4時間後にF1株の1%マウス脳乳剤上清を0.05mlを腹腔内に接種した。(3)NZWマウスにbeta、beta'-イミノジプロピオニトリル(IDPN、和光純薬)1g/kgを腹腔内に接種、24時間後に(1)と同様にCJD、F1株の1%マウス脳乳剤上清を0.05ml腹腔内に接種した。週齢を合わせたマウスに生理食塩液を(2)では尾静脈内に、(3)では腹腔内に接種後、F1株1%マウス脳乳剤を0.05ml、腹腔内に接種し対照とした。 NZWマウスはCJD、F1株に最も感受性が高い系統であるが、腹腔内接種後から発症に至までの潜伏期間は240日必要であり、現在、観察飼育中である。 他方、CJD、福岡2株-F1株と異なった患者由来のマウス順化株で潜伏期間はほぼF1株と同じ-を右眼球内に接種して異常プリオン蛋白の沈着を調べた結果、反対側の左の上丘、外側膝状体、大脳皮質視覚領野など視覚中枢に異常プリオン蛋白の強い沈着を認めた。すなわち、異常なプリオン蛋白がトランスシナプティックに侵潤増殖、沈着することが明らかになった。このことは、プリオン蛋白の侵潤が軸策内輸送によることを示唆するものであり、(2)、(3)の結果が待たれる。
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