研究課題/領域番号 |
05670197
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
実験病理学
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
猪山 賢一 熊本大学, 医学部, 助教授 (10040536)
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研究分担者 |
北岡 光彦 熊本大学, 医学部, 助手 (30117345)
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研究期間 (年度) |
1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1993年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 10型コラーゲン / 螢光double in situ hybridization / 骨膜細胞 / 骨折修復 / 内軟骨性骨化 / 軟骨細胞 / 骨芽細胞 |
研究概要 |
鶏胚椎体組織を用いた関節軟骨成長板においては急速なコラーゲン遺伝子のスイツチonとoff(II、IX型→X型)がおこり、細胞外マトリックスのダイナミックな改築が示唆されるが、本研究では、ビオチンおよびジゴキシゲニン標識各型コラーゲン遺伝子プローブを用い、鶏胚関節軟骨および異所性骨軟骨組織において一個の軟骨細胞内で二種類のコラーゲン遺伝子の転写関節がなされている軟骨細胞を螢光double in situ hybridization 法により形態学的に証明する事を目的とした。 1).鶏胚椎体組織(stage 45〜46)の関節軟骨成長板における観察:椎体関節成長板の同一スライド切片上で、II型コラーゲンmRNAの局在とX型コラーゲンmRNAの局在が赤色螢光(ロータミン)と緑色螢光(FITC)の局在パターンとして明瞭に区別出来た。増殖軟骨細胞にはII型コラーゲンmRNAを肥大軟骨細胞にはX型コラーゲンmRNAが主として発現しており、その境界部の前肥大軟骨細胞内にはII型およびX型コラーゲンmRNAの両シグナルを本手法で証明した。感度に関しては従来われわれが報告してきたトリチウム標識CDNAプローブによる細胞内両遺伝子発現パターンとほぼ一致し、本法の有用性が示された。 2).幼鶏骨膜移植による異所性内軟骨性骨化組織における観察:幼鶏胚骨骨膜組織の胸筋筋膜上への移植後9日目の異所性骨組織は典型的な骨組織および軟骨組織のほかに異型軟骨組織からなっていた。この異型軟骨組織では骨膜移植後早期よりX型コラーゲン遺伝子が発現しているが、double in situ hybridization 法では上記1)の椎体関節成長板にみられる様な明瞭な局在パターンは観察されず、II、X型両コラーゲンmRNAが早期より同時に骨膜細胞から軟骨細胞への分化とともに発現していた。また、典型的な肥大軟骨細胞が骨梁に接する部位ではI,X型コラーゲンmRNAの両シグナルをもつ細胞が観察され、肥大軟骨細胞から骨芽細胞への移行を示すphenotypeの存在が示唆された。 3).一個の軟骨細胞内に複数のmRNAを同時に観察する事が可能であり、内軟骨性骨化過程の分子レベルの形態学において、本研究の応用性がさらに広まっていくものと考えられる。
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