研究課題/領域番号 |
05670200
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
実験病理学
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
石丸 靖二 熊本大学, 医学部・附属病院, 助教授 (90040245)
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研究分担者 |
倉津 純一 熊本大学, 医学部, 助教授 (20145296)
鶴田 潤二 熊本大学, 医学部附属病院, 助手 (20180060)
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研究期間 (年度) |
1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1993年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 細胞接着 / 接着分子 / 細胞生物学 / 肝癌細胞 / 脳腫瘍 |
研究概要 |
島形成型のラット腹水肝癌AH136B細胞から分離精製された接着分子(adhesive factor、以下AF)は、予め解離したAH136B細胞の凝集を増強する効果を有する。このAFに対するモノクローナル抗体の一つであるMoAF-6D6はその凝集効果を強く抑制し、さらに腹水肝癌島の解離を惹起する機能を有する。今回、細胞集合体であるspheroidを形成するラットglioma継代培養C6細胞の細胞相互の接着機構におけるAFの関与について検討した。C6細胞膜におけるAFの局在についてMoAF-6D6を用いた螢光抗体間接法で検討すると、カバーグラスに生着したC6細胞および凝集したC6細胞の細胞膜上に明らかな螢光を認めた。maleimide法による酵素標識抗体を用いた免疫電顕でも細胞膜に共通抗原物質の局在が証明された。ヒトglioma継代培養KT細胞についても同様の陽性所見が得られた。C6細胞を凝集可能な細胞濃度で96穴マイクロプレートのwell内で1時間培養すると、細胞凝集塊が形成されるが、MoAF-6D6を加えることによりその凝集は抑制されたことから、C6細胞膜表面にはAFあるいはそれに良く類似する物質が存在することが示唆された。しかし、培養3日目に形成されたspheroidにMoAF-6D6を作用させてもその崩壊が惹起されなかったことから、さらに抗体の濃度や作用時間を検討中である。一方、ヒトgliomaにおけるAFとの共通抗原物質の検討を行ったが、MoAF-6D6を用いた免疫染色法でastrocytoma、ependymomaおよびmeingiomaなどの強い細胞接着性を示す脳腫瘍に陽性反応が見られた。これらの脳腫瘍患者の髄液におけるAFの存在についてELISAで検討したが、現在の方法では陽性所見は得られず、さらに多くの量の髄液を濃縮して検討する予定である。
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