研究課題/領域番号 |
05670208
|
研究種目 |
一般研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
実験病理学
|
研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
広瀬 幸子 順天堂大学, 医学部, 助教授 (00127127)
|
研究分担者 |
脇屋 緑 順天堂大学, 医学部, 助手 (00220848)
野口 一雄 順天堂大学, 医学部, 助手 (10208316)
|
研究期間 (年度) |
1993 – 1994
|
研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
|
配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1994年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1993年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
|
キーワード | 全身性エリテマトーデス / CD5B細胞 / 抗gp70抗体 / 抗DNA抗体 / 抗ヒストン抗体 / 抗体可変領域遺伝子 / レトロウイルス / 体細胞突然変異 / New Zealandマウス / 抗体遺伝子可変領域 |
研究概要 |
全身性エリテマトーデス(SLE)のモデルマウス系であるNew Zealandマウスには、加齢に伴いヒトSLEの場合と同様の高度の免疫複合体性ループス腎炎が発症する。このループス腎炎の発症には、マウスの内在性C型レトロウイルスの粒子膜抗原gp70に対する抗体応答が重要な役割を担っている。病変糸球体には、gp70抗gp70免疫複合体の沈着が証明され、レトロウイルス感染がこのマウス系のSLE病態発症に関与している可能性が強く示唆される。New Zealandマウスには生後早期から血中にgp70が大量に発現されているので、病態発症は加齢に伴い産生される抗gp70抗体に依存した現象と考えられる。我々の従来からの解析で、抗gp70抗体応答は、このマウスにみられる抗DNA抗体や抗ヒストン抗体の産生と極めてよく相関を示すことが明かとなっている。 一個体のマウスから抗gp70抗体、抗DNA抗体および抗ヒストン抗体を産生するモノクローナル抗体を多数樹立し、これらの抗体の可変領域遺伝子の塩基配列を決定することにより、その相互関係を解析した。その結果、これら3種類の抗体を産生するB細胞は、いずれもクローン性に増殖していることから、これらはいずれもクローン性増殖を示すCD5B細胞由来であることが示唆された。しかし、抗DNA抗体と抗ヒストン抗体が、同一のCD5B細胞から抗体可変領域遺伝子に体細胞突然変異を起こすことにより、その抗体特異性を獲得すると考えられたのに対して、抗gp70抗体はこれらとは異なるクローンに属するCD5B細胞に由来すると考えられた。抗gp70抗体の可変領域遺伝子にも体細胞突然変異が認められること、クローン性増殖を示すのはgp70のC末端に反応する抗体であること、からgp70のC末端領域が抗gp70抗体の選択と増殖に関与している可能性が高い。
|