研究課題/領域番号 |
05670258
|
研究種目 |
一般研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
細菌学(含真菌学)
|
研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
津田 雅孝 山口大学, 医学部, 講師 (90172022)
|
研究分担者 |
中澤 晶子 山口大学, 医学部, 教授 (40053053)
|
研究期間 (年度) |
1993 – 1994
|
研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
|
配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1994年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1993年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
|
キーワード | 緑膿菌 / 鉄獲得 / レギュロン / シデロフォア / ピオベルジン / 転写制御 / 制御因子 / RNAポリメラーゼ・シグマ因子 / 鉄イオン獲得 / 遺伝子発現調節 / 分子遺伝学 |
研究概要 |
緑膿菌では、高鉄濃度で転写が抑制される鉄レギュロンが存在し、鉄獲得に関わるシデロフォア(ピオベルジン)生合成(pvd)遺伝子群も本レギュロン内に位置付けられる。本研究では鉄レギュロンでの情報伝達機構全体像の提示をめざし、pvd遺伝子群に焦点をあてて当該遺伝子群発現制御の分子遺伝学的研究をおこなった。 1.ピオベルジン生合成に必要な数多くのpvd遺伝子群は多数のオペロンに組織化され形で、染色体遺伝地図上47minの103kbの領域(pvd)領域内の2ケ所に分布していた。また、pvd領域は本菌生育に必須の遺伝子はコードしていなかった。 2.3つのpvdオペロンの転写にはpvd領域内にコードされる正の制御因子PvdSの関与が必要であったが、いずれの転写も高鉄濃度で抑制された。当該オペロン転写のPvdS依存現象と高鉄濃度での抑制現象に必要なプロモーター領域は分離できず、また、pvdS突然変異背景下で当該オペロンの転写は低鉄濃度でも検出できなかった。 3.pvdS含有領域の塩基配列決定と相同性検索より、PvdSは「細胞質外機能」の遺伝子群転写に必要なRNAポリメラーゼ・シグマ因子亜群に属すると推定された。pvdSのプロモーター領域は、高鉄濃度で鉄レギュロン全体のリプレッサーFurがレギュロンの転写を抑制するのに必要な塩基配列(Fur box)を持ち、また、pvdSの転写は高鉄濃度で抑制された。上記の成果も考慮して、高鉄濃度ではFur boxへのFurの結合がpvdSの転写を抑制する結果、pvd構造遺伝子群の転写がおきないというモデルを提唱した。 4.染色体上のfur欠損突然変異は座位交換的遺伝子置換法を用いても取得できず、fur遺伝子は本菌の生育に必須である可能性が強く示唆された。
|