研究課題/領域番号 |
05670262
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
細菌学(含真菌学)
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
奥田 研爾 横浜市立大学, 医学部, 教授 (40124862)
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研究分担者 |
浜島 健治 横浜市立大学, 医学部, 助手 (00114611)
川本 進 横浜市立大学, 医学部, 講師 (80125921)
福島 淳 横浜市立大学, 医学部, 助手 (00181256)
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研究期間 (年度) |
1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1993年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 緑膿菌病原因子 / エラスターゼ / アルカリプロテアーゼ / 転写制御 / 分子生物学 / タンパク質の分泌 / Fur / LasR |
研究概要 |
本年はエラスターゼとアルカリプロテアーゼについてその遺伝子発現制御を詳しく研究した。まずエラスターゼについてその転写因子のひとつであるlasR遺伝子をクローン化し大腸菌での発現実験を行なった。またlasR遺伝子自身の発現についてNorthern blottingで調べたところ鉄のイオンではその発現にほとんど影響を与えなかった。現在大腸菌で発現させたlasRタンパク質を抽出し、In vitro でDNA結合実験を行ない、エラスターゼプロモーターのどの部分に結合して転写を活性化しているか、また培地中に分泌される低分子量物質により活性化されるかを検討している。 一方、アルカリプロテアーゼについては、まずprimer-extension実験により転写開始点を同定した。その上流には大腸菌のRNApolymeraseシグマ70の結合部位に相同性のある部分が存在した。さらに、アルカリプロテアーゼの鉄のイオンによる発現制御を調べたところ、鉄イオン10muMの濃度でその発現は非常に強く阻害されることがELISAにより分かった。またNorthern blotting とprimer-extension で調べるとこの抑制は転写の段階で起こり、fur(ferric uptake regulation)による発現制御の可能性が強く示唆された。一方、このアルカリプロテアーゼはLasR遺伝子内に変異が見つかっているPA103株でその発現が非常に低く、その転写にLasRの関与が考えられている。今回の実験で転写開始点上流にエラスターゼ遺伝子上流と高い相同領域が固定され、その結合部位である可能性が示唆された。この点についてもDNA-LasR結合実験により今後確認する。これらの研究によりエラスターゼとアルカリプロテアーゼ遺伝子の発現制御について理解されると考えられる。
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