研究課題/領域番号 |
05670293
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
免疫学
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
菅野 雅元 千葉大学, 医学部, 助教授 (40161393)
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研究分担者 |
谷口 克 千葉大学, 医学部, 教授 (80110310)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1994年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1993年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | TCR / エンハンサー / etsファミリー / T細胞抗原受容体 / 転写因子 / ets遺伝子 |
研究概要 |
TCRαエンハンサー領域を検討したところ、(1)4個の亜領域のうちTα2亜領域が最も重要であることが判明した。さらにTα2亜領域内でもTα2a領域ではなく、Tα2b領域の中のEts-1結合配列と呼ばいれている部分が最も重要であることが分かった。 (2)この領域のDNAを用いてゲルシフト法による解析を行ったところ、3本のバンドが検出された。これら3本のバンドのうち1本のみがEts-1結合配列と呼ばれる領域に対応するバンドであった。この3本のバンドは抗-panEts抗体でスーパーシフトすることより、Ets-ドメインを持つファミリータンパク質であることが判明した。しかし抗-Ets1、抗-Ets2特異的モノクロナル抗体には3本とも反応しないことより、in vivoでのエンハンサー活性に重要な役割を果たしているTα2のEts配列に結合している蛋白質は従来いわれていたようにEts-1ではなく類似の新しい蛋白質であることが明かとなった。ほとんど全ての総説などに「TCRαエンハンサーのTα2領域にはEts-1がん遺伝子産物が結合し、それがエンハンサー活性に重要である。」と説明されているが、我々の研究により、実際はEts-1ではなくEtSドメインを持つ新しい蛋白質であることが判明した。 (3)新しく同定された蛋白質の分子量をUV-クロスリンク法を用いて検討したところ、約10KDaのT細胞特異的に発現している蛋白質であった。さらにクロスリンクの条件を強くしたところ31KDaの蛋白質が弱く結合していることが判明した。 (4)この新しいetsファミリー蛋白質のcDNAクローニングを試みている。etsドメインのアミノ酸に対応するオリゴヌクレオチドを用いて3'-RACE-PCRを行い、新しいetsファミリー遺伝子のcDNAの一部のクローニングに既に成功している。 このcDNAの全長を単離して解析を行っていきたい。
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