研究課題/領域番号 |
05670306
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
免疫学
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
林 真一 熊本大学, 医学部, 助手 (50208617)
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研究期間 (年度) |
1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1993年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | c-kit / 血液幹細胞 / Steel因子 / 転写調節 / Wマウス / slマウス |
研究概要 |
マウスc-kit遺伝子の組織特異的発現調節領域を固定するため、転写開始点より5′上流30kbから転写終了点の3′迄をEMBL3ゲノミックライブラリーより回収し、その内、細胞膜通過領域下流まで約100kbのSacI断片を、SV40あるいはc-kitのプロモーター/CATのベクターに組み込み、エンハンサー活性の有無を検討した。指標細胞として、c-kitを発現している精巣ライディツヒ細胞、巨核球、マスト細胞、赤芽球の細胞株を、陰性の細胞として細維芽細胞を用いた。その結果、5個の断片が転写を増強したが、増強の見られる細胞系譜は、各断片で異なっていた。その内、3個は線維芽細胞でも活性がみられるため、本来の調節領域とは考えにくい。残りの2カ所は、ともに膜通過部の付近で、ライディヒ細胞のみに活性がみられたので、この細胞系譜特異的調節領域の可能性がある。同時に検討してきたc-kitリガンド、S1の調節領域はトランスジエニックマウスを作成し、生体で発現を検討したところ、神経系をのぞき、培養系で見られたほど多くの細胞系譜では発現していなかった。そのため、この領域も生体内での機能を同様な方法で検討する予定である。転写伸展の際に制御がかかる可能性も考えプロモーター、第一、第二エクソンを含むミニ遺伝子を作成したが、陽性所見は見られなかった。最近、マスト細胞と色素細胞のc-kit発現異常W^<sh>とW^<57>マウスの変異が転写開始点の200kb以上上流に有りそうだという報告もある。私もさらにより広い範囲で探索し、血液細胞系譜特異的な領域を確認するつもりである。予想どうり、組織特異的に調節が行われているので、エンハンサー領域の単離は、c-kit陽性の幹細胞を人為的に、制御できる実験系を作り出す手だてとなる。
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