研究課題/領域番号 |
05670315
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
衛生学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
斉藤 健 (斎藤 健) 北海道大学, 医学部, 講師 (40153811)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1994年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1993年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 微量元素 / 神経細胞 / シナプトゾーム / 神経伝達物質 / 亜鉛 / 銅 / 脳 / 金属結合蛋白 / ラジカル / 神経伝達 |
研究概要 |
本研究は、神経伝達機構における微量元素の役割を明らかにすることを目的とし、平成6年度は、ストレス等の比較的弱い刺激に対するラット脳内微量元素の変動および金属代謝異常ラットの脳内微量元素の動態を詳細に検討した。二年間の研究で得られた成果は、下記のごとくである。 1.微量元素測定に適した、神経細胞とシナプトゾームの蔗糖密度勾配遠心法による分離方法を確立した。神経細胞中の亜鉛は脳幹と小脳でグリア細胞中に比較して有意に高濃度であった。マンガンは、全領域で神経細胞中に高濃度で存在していた。 2.1時間の拘束ストレス負荷により、亜鉛では海馬組織で、銅では視床下部、線条体および海馬組織で、金属濃度の有意な減少が認められた。また、シナプトゾーム中の亜鉛濃度は脳全体に渡り上昇しており、特に海馬で顕著な上昇が認められた。また、海馬組織中シナプトゾームの中でも、亜鉛が最も多く局在するCA3領域では、拘束ストレスにより亜鉛濃度が減少していることが明らかになった。このことから、ラット脳内亜鉛および銅濃度はストレスに伴い変動し、CA3領域で放出される亜鉛の一部は、他の神経終末から再吸収される機構が存在することが示唆された。 3.肝臓に特異的に銅が蓄積し、ウイルソン病のモデル動物と考えられているLECラットの脳内微量元素の動態を詳細に検討した。脳内銅濃度は年齢依存的に上昇し、それに伴いマンガンの蓄積など他の微量元素濃度も変動することが明らかになった。このことから、銅の蓄積に加え、これらの必須微量元素の変化により、LECラットに神経化学的な障害が引き起こされる可能性が示唆された。
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