研究課題/領域番号 |
05670356
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
公衆衛生学・健康科学
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研究機関 | 大分医科大学 |
研究代表者 |
青野 裕士 大分医科大学, 医学部, 助教授 (80150936)
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研究分担者 |
斉藤 功 大分医科大学, 医学部, 助手 (90253781)
小澤 秀樹 大分医科大学, 医学部, 教授 (90204198)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1994年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1993年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 職務ストレス評価紙 / 職務ストレス源 / ストレス対処 / 脳・心疾患 / 危険因子 / 職業ストレス源 / ストレス反応 / 職務ストレス / ストレス度 / 対処行動 / ストレス評価質問紙 |
研究概要 |
職務上のストレス状況を職業ストレス源、ストレス対処、ストレス反応の3つの要素でとらえることを試み、Osipow,Spokaneらの概念モデルを日本人に応用し、質問項目の再現性、妥当性を相関分析や因子分析により解析し、職業ストレス源、ストレス対処、ストレス反応それぞれ6尺度(役割オーバーロード、不十分感、曖昧感、区分の明瞭感、責任度、物理的環境)、4尺度(職業、心理的、対人的、身体的各ストレス反応)、4尺度(余暇、自己管理、社会的支援、合理的・認知的対処)で把握する質問紙を得た。この職務ストレス質問紙を用いて、季節変動に伴う労働負荷の違いや、職種、職務階層、年齢、性別の違いを検討した。活性化したストレス源の下で、自己管理、余暇の活用ができていない場合はストレス反応が大きいことが集団レベルで明らかとなった。職務階層でみた場合、階層が高くなると、責任度が高くなるが、役割の明瞭さも高くなり、ストレス対処の余暇の活用、合理的・認知的対処が高まることと相まってストレス反応が低くなる傾向が明らかとなった。加齢に伴う職務ストレス状況は職務段階の傾向とほぼ似ていた。性別の違いはストレス対処の社会的支援のレベルにあった。すなわち、自分の身の回りに必要な時に手助けしてくれたり、評価してくれる人がいるかのレベルが女子の方が高い傾向にあった。そのために、役割の対する不十分感、役割の曖昧感等のストレス源が高くても、女子ではストレス反応は望ましいレベルにあった。脳・心疾患の危険因子とされる高血圧、高脂血症、喫煙、肥満、耐糖能障害との関連では、男子においてストレス対処が不十分なために、ストレス反応が高い状態で、高脂血症、と耐糖能障害との関連が見られた。カウンセリングなどによるストレス対処を高めることにより、脳・心疾患の発症防止の関与できる可能性が示唆された。熱帯という過酷な環境条件下での職務において、ストレス対処が初期には余暇の活用と社会的支援の比重が高いが、滞在が長くなると自己管理と合理的・認知的対処の比重が高くなっており、職務ストレスに対するストレス対処の違いが脳・心疾患の発症のメカニズムに大きな影響を与えるであろう事も考察された。
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