研究概要 |
DR genotypeを検討するためSSCP法を確立した。その結果RAでは、DRB1*0405が有意に増加し、DRB1*0401の増加も認められたが0101の増加は認めなかった。又、*0802が有意に減少し抑制遺伝子と考えられた。さらに、TNF,HSP-70のRFLPの検討からRAでは、TNF,HSP-70の領域に新たな疾患感受性遺伝子が存在する可能性が推測された。また、HLA-B67,TNF10.0との相関関係からC4AQOそれ自体より、C4AQO近傍に疾患感受性遺伝子が存在する可能性が示唆された。臨床所見との関連では、TNF10.0,HSP-9.0,DRB1*0405Gが尿蛋白の増加、C4,CH50の低下と相関があった。又、疾患活動性との間に有意な関連を認めなかった。さらにHSP9.0Kb,*0405がSSAのconformatinalな抗体と関連性がある事が示唆された。又、未知のANAとINF5.5(-)との関連も認めた。韓国RAでも、*0405と*0401が有意に増加していた。DRB1の増加はなかった。又、DRB1*0802は、日本人と同様減少していた。DQのRKRAA配列は相関しなかった。日韓の検討からQRRAA配列に加えてDR4の全体構造の重要性が推定された。PSSではdiffuse型、抗Scl70陽性群でDRB1*1502-DRB5*0102ハプロタイプ、DRB1*0802の増加がみられた。これらの67-71位のアミノ酸は、白人PSSで増加しているDRB1*1101,1104と共通性があり、susceptible sequenceと推定される。又、TNF5.5バンドはdiffuse型、抗Scl-70抗体陰性群で27.3%と有意に低下していた。このバンドは*1502と負の有為な相関を示した。C4AQOとは正の、C4BQOとは有為な負の相関を示した。又、HSP8.5kbバンドが抗centromere抗体と負の相関を示した。DQではDQ6.1がDiffuse型で59%、抗Scl-70陽性群で52.4%と増加を示した。本研究でRA、PSSのMHC領域の遺伝要因が一部明らかになったが、膠原病の病因を解明し治療に役立てるため、遺伝要因をさらに種々の側面からの研究していく必要があると考えられる。
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