研究課題/領域番号 |
05670423
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
内科学一般
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
安川 正貴 愛媛大学, 医学部, 助教授 (60127917)
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研究期間 (年度) |
1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1993年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | レトロウイルス / ヒトヘルペスウイルス6型 / ヒトヘルペスウイルス7型 / 成人T細胞白血病 / エイズ / 免疫不全 / CD3 / CD4 |
研究概要 |
[目的]ヒトヘルペスウイルス(HHV)6型と7型は共に、CD4T細胞に対して感染性を有することが知られている。HTLV-IやHIVなどのヒトレトロウイルスもCD4T細胞に選択的に感染することを考えると、レトロウイルス感染症の発症にHHV-6およびHHV-7が関与していることが推察される。本研究ではこのような仮説のもとに、HHV-6とHHV-7感染によるCD4T細胞の形質的並びに機能的変化を検討した。[方法]末梢血から分離したCD4T細胞および単純ヘルペスウイルス特異的CD4細胞傷害性T細胞クローンにHHV-6A群、HHV-6B群もしくはHHV-7を感染させ、種々の細胞表面形質の発現変化をフローサイトメトリーにより検討した。また、T細胞クローンの細胞傷害活性に対する影響を^<51>Cr放出試験で測定した。さらに、CD3およびCD4の発現変化をNorthern blotと免疫沈降法により検討した。[結果と考察]HHV-6A群感染により、表面CD3分子の著明な発現低下を認めたが、HHV-6B群感染細胞ではその程度は軽度であった。他方、HHV-7感染細胞では、表面CD4分子の発現が著明に低下した。mRNAおよび細胞内蛋白の発現量には変化を認めなかったことより、細胞表面CD3・CD4発現低下は膜表面への蛋白輸送の障害と考えられた。これらの変化に伴い、HHV-6A群およびHHV-7感染T細胞クローンでは細胞傷害活性が低下した。さらに、抗CD4モノクローナル抗体添加によってHHV-7感染が抑制されたことより、CD4分子はHIVとともにHHV-7の感染レセプターである可能性が示唆された。以上の結果は、HHV-6およびHHV-7感染により、CD4T細胞は多彩な機能的変化を惹起することを示すとともに、レトロウイルス感染症の発症機構に強く関与していることを示唆している。今後、レトロウイルス増殖への直接的影響を検討する予定である。
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