研究課題/領域番号 |
05670430
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
内科学一般
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研究機関 | 埼玉医科大学 |
研究代表者 |
竹内 勤 埼玉医科大学, 医学部, 助教授 (50179610)
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研究分担者 |
安倍 達 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (60051207)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1994年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1993年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | SLE / VLA-4 / LFA-1 / 血管炎 / 血管内皮細胞 / フィブロネクチン / シグナル伝達 / 接着分子 |
研究概要 |
SLE末梢血T細胞に発現されるVLA-4分子の構造 SLEで血管炎を合併する症例では、末梢血T細胞上にLFA-1に加えVLA-4分子の発現が亢進していることが明らかとなった。その構造を検索したところ、血管炎合併例では、正常T細胞に発現される140kdのバンド以外に、180kdに移動度を有するα4/180が見いだされた。それは、7例の血管炎合併例中3例に認められたが、SLE以外で血管炎を合併した膠原病ではこのような異常VLA-4分子は見られなかった。 VLA-4分子を介した細胞接着機能とシグナル伝達 発現亢進、高分子量フォームを有するVLA-4分子の異常が明かとなった血管炎合併SLEにおいて、VLA-4分子の接着機能について検索した。血管炎合併SLE症例の末梢血T細胞は、フィブロネクチン、VCAM-1に対して著明な接着能の亢進を示した。さらに、接着によって、カルシウム流入が認められ、この系を介して細胞内にシグナルが伝達されることが明かとなった。 SLE患者末梢血T細胞に発現される機能亢進VLA-4分子からのシグナル伝達 インテグリンの発現、機能共に亢進したSLET細胞において、インテグリンからのシグナル伝達に関与する分子について、検討を加えた。インテグリンβ鎖は、リガンドと結合した後、接着斑の形成を惹起して、シグナルを細胞内に伝達する。接着斑を形成する構造蛋白であるタリンの発現を観察すると、正常人に比べ有意にその発現が亢進していた。SLET細胞は、無刺激でもフィブロネクチンと接着するが、この際接着斑が形成され、その部位に一致して強いチロシンリン酸化を認めた。このことから、インテグリン/タリンを介して接着斑が形成され、さらにチロシンリン酸化が引き起こされ、最終的には細胞増殖、細胞分化へとシグナルが伝達されていくものと考えられた。 接着斑に局在するチロシンキナーゼFAK125の発現 SLET細胞がリガンドと接着する際に、タリンの発現や、チロシンリン酸化が強く惹起されたことから、接着斑に局在するチロシンリン酸化酵素が注目された。繊維芽細胞、血小板では接着斑に局在するチロシンキナーゼとしてFAK125が明らかにされ、脚光を浴びていたことから、SLET細胞においてもその可能性について検討した。興味深いことに、SLET細胞においても、接着斑に一致して強くFAK125が発現され、しかもそれがチロシンリン酸化されていた。
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