研究課題/領域番号 |
05670438
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
内科学一般
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研究機関 | 産業医科大学 |
研究代表者 |
田中 良哉 産業医科大学, 医学部, 助手 (30248562)
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研究分担者 |
白川 文彦 産業医科大学, 医学部, 講師 (10158967)
大田 俊行 産業医科大学, 医学部, 助教授 (10140930)
江藤 澄哉 産業医科大学, 医学部, 教授 (90010347)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1994年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1993年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | 慢性関節リウマチ / Tリンパ球 / 血管内皮細胞 / 接着分子 / インテグリン / プロテオグリカン / MIP-1β / IL-1 / T細胞 / 滑膜細胞 / サイトカイン / ケモカイン |
研究概要 |
慢性関節リウマチ(RA)では、病変の主座である関節滑膜にTリンパ球の集簇が認められる。我々は、Tリンパ球と血管内皮細胞及び滑膜細胞との接着機構について検討してきた。 1.Tリンパ球のRA滑膜への浸潤機構に関する検討 RA滑膜より内皮細胞を精製し、Tリンパ球との接着機構を検討した。滑膜内皮細胞はヘパラン硫酸プロテオグリカンを発現し、滑膜組織内Tリンパ球が大量に産生するケモカインMIP-1βを血流に抗して固相化した。更に、固相化MIP-1βは、Tリンパ球のインテグリンを活性化し滑膜内皮細胞との接着を効率良く誘導する事、この接着誘導は、ヘパラン硫酸糖鎖をキシロイドにより攪乱したり、MIP-1βレセプターを介する刺激伝達を百日咳毒素で阻害する事により抑制された。又、組織学的手法により、RA滑膜内皮細胞上にヘパラン硫酸とMIP-1βが検出された。以上の結果は、接着分子のみならずサイトカインやプロテオグリカンがT細胞の滑膜組織内浸潤に重要な役割を有する事を示したもので、新たな見地からの疾患制御の可能性を示唆するものである。 2.Tリンパ球と滑膜細胞の接着及び活性化機構 Tリンパ球とRA滑膜細胞は、Tリンパ球インテグリンLFA-1と滑膜細胞ICAM-1を中心的パスウエイとして接着した。滑膜細胞はTリンパ球とLFA-1/ICAM-1を介して接着する事により、Tリンパ球にcostimulatoryシグナルを伝達すると同時に、この接着により滑膜細胞も活性化され、IL-1βやMIP-1βの産生が誘導された。更に、滑膜細胞より細胞株を作成し、B型滑膜細胞株上のICAM-1を架橋形成する事により、核内因子AP-1等を介してIL-1β上流遺伝子の転写が活性化された。又、免疫組織学的手法により、ICAM-1陽性滑膜細胞の周囲には、LFA-1陽性Tリンパ球の集簇的な浸潤が確認された。以上より、滑膜細胞及び滑膜内T細胞の活性化やサイトカイン産生において接着分子を介したシグナルが重要な役割を担う事が示され、病態解明や疾患制御における接着分子の意義が示唆された。
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