研究概要 |
1.ヒト線維化肝のPLP固定凍結標本上の傍類洞部における細胞性(ED-A^+)フィブロネクチン,PG-PI,ラミニンの局在をそれぞれの抗原に特異的なモノクローナル抗体を用いて酵素抗体法にて光顕,電顕にて検討した結果,前二者がディッセ膣に豊富に存在しており、線維化の進展に伴って出現する類洞内皮細胞直下の基底膜様構造に一致してラミニンが出現増加することが判明した。 2.フィグロネクチンのED-A領域ならびに共通配列の3'-,および5'-端に対応するオリゴヌクレオチドをプライマーとして、ヒトフィブロネクチンcDNAであるpFHIIIをテンプレートとして、それぞれの部分配列cDNAをPCR法により増幅した。またその際、digoxigemin-II-dUTPをPCR反応に加えることにより非放射性標識プローブを作製した。これらのプローブを用いて慢性肝疾患の肝生検組織標本上でin situハイブリダイゼーション法を施行した結果、ED-A^+mRNAは伊東細胞に、共通部分配列を有するフィグロネクチンmRNAは伊東細胞と肝細胞に局在がみられた。 3.ヒト線維化肝の肝生検標本よりRNAzolで総RNAを抽出し、フィブロネクチンED-A領域特異的プライマーを用いてRT-PCR法によりED-A領域の発現を3%アガロースゲル電気泳動上で検討すると、ED-A領域に対応する270bpの単一なバンドが認められた。
|