研究課題/領域番号 |
05670482
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
消化器内科学
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研究機関 | 香川医科大学 |
研究代表者 |
西岡 幹夫 香川医科大学, 医学部, 教授 (30034937)
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研究分担者 |
田村 香織 香川医科大学, 医学部・附属病院, 助手 (80253269)
有馬 啓治 香川医科大学, 医学部, 助手 (50212650)
渡辺 精四郎 香川医科大学, 医学部・附属病院, 講師 (00158635)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1994年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1993年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 自己免疫性肝炎 / 抗LKM1抗体 / 抗SLA抗体 / C型慢性肝炎 / 抗核抗体 / LKM抗体 / C型肝炎 |
研究概要 |
肝疾患に特異的な自己抗体が同定され、欧米ではこれらによって自己免疫性肝炎(AIH)を分類しようという試みがある。AIH I型は従来の古典的な抗核抗体陽性症例、AIH II型は抗Liver/kidney microsome 1抗体(LKM1抗体)陽性症例、AIH III型は抗Soluble liver antigen 抗体(SLA抗体)陽性症例をいう。AIH II型は急速に肝硬変に進展したり、また、C型肝炎ウィルス感染を伴う症例の頻度が高いことなどから注目されている。なお、AIH IV型は抗平滑筋抗体陽性症例である。 我が国ではAIH II型やIII型に関する疫学的研究はほとんどなされておらず、III型では症例報告すら見られない。今回我々は、1,000例をこえる慢性肝疾患についてAIH II,III型を中心に調査し、以下の成績を得た。 1.抗LKM1抗体はC型慢性肝炎の2.5%に存在する。これらはヨーロッパグループの報告する自己免疫性肝炎IIb型に属するものと思われた。臨床的特徴として、甲状腺機能障害が顕著であったが、初診時の血液検査所見はC型慢性肝炎のそれと大差ない。HCVのgenotypeはII型が主で、遺伝的背景として半数はHLA-DR4を有している。 2.抗SLA抗体陽性症例を2例発見した。1症例は慢性B型肝炎、他の1症例は自己免疫性肝炎と診断されていた。これらは358症例の慢性肝炎中に同定されたもので、その0.5%にあたり、極めて稀な症例といえよう。これらは自己免疫性肝炎III型に属すると思われる。 3.自己免疫性肝炎IV型症例についても、16症例を検討した。SMAの力価1:160以上を本症とすると、興味深いことに非A非B非C型肝炎の10%が本症と診断された。 以上の研究から、我が国の自己免疫性肝炎はI型が主体であるが、稀にII型、III型、さらにIV型に相当する症例もかなり存在することが明らかになった。今般、さらに症例を増し、これら症例の病態生理と治療に関する研究を推し進めたい。
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