研究課題/領域番号 |
05670497
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
消化器内科学
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研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
滝川 一 帝京大学, 医学部, 助教授 (70197226)
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研究期間 (年度) |
1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1993年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 小胞輸送 / 胆汁うっ滞 / リトコール酸グルクロナイド / 肝内輸送 / コルヒチン / 胆汁酸 / ビンベラスチン / 胆汁排泄 |
研究概要 |
本研究では胆汁うっ滞の発生機序の病態生理の検討のため、リトコール酸グルクロナイド(LC-gl)によるラット胆汁うっ滞モデルを用いて、肝内の小胞輸送を阻害するコルヒチンの影響を検討した。LC-lgによる胆汁うっ滞は、胆管カニュレーションを行ったSD系ラットに、大腿静脈より^<14C>標識LC-glを0.1mumol/min/100g体重で40分間持続投与し作成した。これにより、胆汁流量(mul/min/100g体重)は投与前の4.0±0.8より投与60分後には1.0±0.7まで低下した。これに対して、コルヒチン処置によりLC-lg投与60分後の胆汁流量は3.5±0.7にとどまり、120分間のLC-glの胆汁中排泄も対照の33±13%から86±10%に増加した。また、他の小胞輸送阻害剤であるビンブラスチンによっても同様の結果が得られ、LC-glにるよる胆汁うっ滞の抑制がコルヒチンによる非特異的な作用でないことを確認した。なお、コルヒチンはコレーサー量のLC-g1の胆汁中排泄には影響を与えなかった。また、コルヒチンによる各種胆汁酸の胆汁中排泄抑制の程度は胆汁酸により異なり、胆汁酸の小胞輸送はその種類により関与の程度が異なると考えられた。以上の結果から、LC-glの投与量の増加により通常のサイトゾール蛋白と毛細胆管膜キャリアーによる輸送系のキャパシティを越えると小胞輸送による排泄が起こり、これにより胆汁うっ滞が生じるものと推測された。すなわち、LC-glの胆汁中排泄には小胞輸送が関与しやすく、LC-glが小胞輸送されることにより胆汁うっ滞が生じると考えられた。
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