研究課題/領域番号 |
05670513
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
呼吸器内科学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
佐々木 司 東北大学, 医学部・附属病院, 助手 (10241598)
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研究分担者 |
高澤 伸 (高沢 伸) 東北大学, 医学部, 講師 (50187944)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1994年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1993年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 気道粘膜下腺 / 気道平滑筋 / カルシウムイオン / イノシトール三リン酸 / サイクリックADPリボース / Clチャンネル / Kチャンネル / パッチクランプ / 分泌 |
研究概要 |
気道を構成する諸細胞の中で主として気道粘膜下腺、気道平滑筋細胞について、その基本的な電気生理学的特性についてパッチクランプ法を用いて検索した。さらにその細胞内情報伝達機構におけるcyclicADP-ribose(cADPR)の関与につき検討し、一定の知見を得た。 1)気道腺細胞は細胞内で遊離されたCa^<2+>によって電解質を分泌する。このCa^<2+>はイノシトール1.4.5三リン酸(IP_3)によって遊離されるが、IP_3の受容体を阻害してもなお活性化され得るCa^<2+>依存性の電流がある。 2)気道腺細胞にcADPRを注入すると主としてKイオンの流出に伴う電流が観察される。 3)気道腺細胞由来のミクロソームはcADPRに反応してCa^<2+>を遊離する。IP_3で脱感作したミクロソームでも同様であるので異なった性質のプールの存在が示唆される。 4)気道粘膜下腺において、cADPRは膜を介しての直接のカルシウム流入作用やチャンネルにたいする直接的な活性化作用はなく、細胞内のCa^<2+>プールからCa^<2+>を遊離せしめ二次的にCa^<2+>依存性の電流を惹起しているものと結論された。 5)気道粘膜下腺腺房細胞、気道平滑筋、膵外分泌腺(対照)(すべてヒトの材料)について、cADPRの合成代謝酵素であるCD38のmRNAの発現の有無をみた。気道腺、膵についてはCD38-mRNAの強い発現を認めたが、気道平滑筋では認められなかった。 6)気道平滑筋細胞にIP_3を注入すると、頻発するカルシウム依存性K電流のスパイク(Kスパイク)が観察されたが、cADPRの注入ではKスパイクを誘発することは出来なかった。 以上より、気道腺細胞においては、cADPRとIP_3がいずれも細胞内のカルシウム遊離に機能しており、IP_3は主としてClチャンネルを、cADPRはKチャンネルをそれぞれ活性化し、共同して気道腺からの水分の分泌に機能しているものと推察された。一方、気道平滑筋細胞ではIP_3が重要なCa^<2+>遊離性セカンドメッセンジャーとして機能しているものと考えられる。
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