研究課題/領域番号 |
05670547
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
神経内科学
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
永田 博司 筑波大学, 臨床医学系, 講師 (10198335)
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研究期間 (年度) |
1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1993年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 末梢神経 / 軸索輸送 / 脱髄 / 細胞骨格タンパク / リン酸化 |
研究概要 |
末梢神経の一部分の局所的な脱髄をきっかけとして広範な軸索変性が生じることがあり、そのメカニズムを軸索輸送の障害、輸送される軸索構成・細胞骨格タンパクのレベルで解明することが本研究目的であった。局所脱髄を引き起こす物質として塩化テルルおよび抗ガングリオシド抗体を用いて実験的部分脱髄を実験動物(ラット)で作製した。軸索変性の発症を形態学的に観察しつつ,生化学的に、アイソトープラベル法と軸索輸送される内因性酵素acethylcholinesteraseの活性を指標とし解析した。テルルにより引き起こされた脱髄部分では、腰髄前角から注入したアミノ酸を基質として合成された標識タンパクの輸送がトラップされた。抗ガングリオシド抗体を用いた脱髄モデルでも同様であった。acethylcholinesterase活性を指標とした方法でも、脱髄部分での軸索輸送の阻害を示唆する結果が得られた。また、脱髄部分とその遠位、近位の末梢神経を5mm長に細断し、ホモジナイズし、SDSポリアクルアミド電気泳動後のfluorographyにて標識された細胞骨格タンパクを分子量から同定し、非脱髄部分の末梢神経組織と比較した。脱髄部分の近位セグメントでニューロフィラメントの蓄積がみられた。また、Western blottingを行ない、リン酸化および脱リン酸化ニューロフィラメントを認識するモノクローナル抗体で検出し、脱髄部を挟む近位と遠位でのリン酸化について比較したところ、蓄積したニューロフィラメントはリン酸化されていない割合が高かった。末梢神経の部分的脱髄では、速い軸索輸送を始め、細胞骨格タンパクが運ばれる遅い軸索輸送もその部分で障害されていることが明らかになり、脱髄による二次的な軸索変性の発症機序に軸索輸送の障害が関与していることが明らかになった。
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