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心臓発生過程および成熟心臓機能における線維芽細胞成長因子の役割の解明

研究課題

研究課題/領域番号 05670620
研究種目

一般研究(C)

配分区分補助金
研究分野 循環器内科学
研究機関九州大学

研究代表者

上野 光  九州大学, 医学部, 助手 (50260378)

研究分担者 今泉 勉  九州大学, 医学部, 講師 (60148947)
下川 宏明  九州大学, 医学部, 講師 (00235681)
研究期間 (年度) 1993
研究課題ステータス 完了 (1993年度)
配分額 *注記
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1993年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
キーワード心筋細胞 / 細胞増殖因子 / レトロウイルス / 細胞タカルシウム濃度 / FGF受容体 / 心臓発生 / 心機能
研究概要

本研究では心臓発生および心機能におけるFGF(線維芽細胞成長因子)の役割の総合的理解を目指した。
1)発生初期心臓におけるFGFの心筋増殖因子として役割の解明。
FGF受容体の細胞内チロシンキナーゼ領域のみを欠失した優勢劣勢変異型FGF受容体(自身が受容体としての機能を持たないばかりか、共存する正常受容体の機能も抑制する)をcDNA上で作製し、レトロウイルス由来のベクターに組み込みパッケイジング細胞に導入して、自己複製能力は喪失しているがウイルスとしての感染力を保持したリコンビナントウイルスを調正した。このウイルスを発生2日めのニワトリ胎児心臓に部位特異的に注入した。変異型FGF受容体の発現により心筋細胞コロニーはその増殖が著明に抑制され、FGFが発生初期心筋細胞にたいする細胞増殖因子であることを生体内で世界で初めて証明することができた。研究成果は現在、米国Science誌に投稿中である。
2)FGFの成熟心筋細胞機能への直接作用の解析。
虚血や心肥大において心筋細胞のFGF発現量が増強するとの報告があるが、FGFの成熟心筋に対する作用は不明であった。そこで成体ラット心室乳頭筋の微小筋肉標本を作成し電気刺激により発生する張力に与えるFGFの作用を観察すると、FGFはまず弛緩障害を起こし、ついで最大張力を減弱し最後に収縮硬直状態を惹起した。心筋細胞を単離、培養しFura-2を用いて単一細胞内Ca濃度の変化を経時的に観察すると、弛緩時細胞内Ca濃度は次第に上昇し張力実験と良く符号する結果を得た。これまでの研究成果は学術誌に投稿するべく現在準備中である。
観察された変化は臨床上不全心で観察される心機能低下と近似しており、今後もさらに分子レベルでのメカニズムの解析と、"受容体レベルでFGF信号を除去することで不全心の機能低下を防止できるか?"を目標に分子細胞学的検討を継続する予定である。

報告書

(1件)
  • 1993 実績報告書
  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] H.Ueno.et al.: "Dominant-negative mutations of platelet-derived growth tactor receptors:Inhibition of receptor function by ligand-dependent formation of heterodimers between PDGF alpha-and beta-receptors." J.Biol.Chem.268. 22814-22819 (1993)

    • 関連する報告書
      1993 実績報告書
  • [文献書誌] 上野光: "Dominant-negative mutationを応用した成長因子の生体内作用の解明。" Molecular Medicine. 30. 528-531 (1993)

    • 関連する報告書
      1993 実績報告書
  • [文献書誌] 上野光: "血管壁受容体とその調節。『臨床分子生物学』" 日本臨床. (印刷中).

    • 関連する報告書
      1993 実績報告書

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公開日: 1993-04-01   更新日: 2019-02-28  

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